40歳は、女性の体が大きく変化するとき。疲れやホルモンバランスの崩れからくる不調に、美容賢者たちはどう対応しているのでしょうか? 「OK!バブリー」でおなじみの平野ノラさんは、今年で44歳。今やコスメブランドのモデルに抜擢されるほどの美肌の持ち主ですが、多忙を極めた30代終盤は肌も身体もボロボロだったそう。本来の素肌力を取り戻すために、「やめたこと」「始めたこと」を教えていただきました。
■平野ノラさんが40歳を機に「やめた」ことは?
「ながら食べしていたお菓子を食後の“ご褒美”に。気持ちにもうれしい変化が!」
小さい頃からご飯よりお菓子が大好きで、呼吸するように甘いものを“ながら食べ”してきたというノラさん。ところが、42歳にして初めての妊婦生活を送る間に、なんと体重が20キロ増! さすがにこの体ではお仕事に影響すると、産後ダイエットを始めることに。
「漢方医学に基いた置き換えダイエットに挑戦しましたが、甘いもの好きの私に先生から『血糖値が上がっている食後なら、お菓子を食べてOK』というアドバイスが。これまでのダイエットはお菓子NGだったため、つらくて挫折してしまうことが多かったのですが、食後のご褒美を励みにラクに続けることができました。名店のスイーツや1本2000円もする牛乳を取り寄せてみたりと、むしろその時間が優雅で素敵なものとなり、心も体も満足感で満たされて。毎回楽しみでしたね~。食生活にメリハリが出たことで、結果的に8~9キロの減量に成功。自然と、肌も気持ちも上向きになりました」
「夕食を遅い時間に食べるのをやめたら、いつになく目覚めがすっきり」
現在1歳3カ月になる通称・バブ子ちゃんの子育て真っ最中。ダイエットを始める前は、仕事から帰宅して夕食を済ませた直後に、娘さんを寝かしつけながら一緒に就寝してしまうことも多かったそう。
「お腹いっぱいの状態で寝るので、睡眠中も胃腸がフル稼働していたらしく、疲れが全く取れなくて。寝起きに胃のもたれを感じることもしばしば。そこで、夕食の時間をなるべく前倒すことにしたんです。夕方、仕事の現場でいただくお弁当を夕飯として食べたら、もうその日の食事は終わり。そうしたら、朝の目覚めがものすごくよくなって! 胃も体も軽いし、一日のパフォーマンスが俄然上がりましたね。もちろんダイエットにも効果てきめん。健康的に痩せるってこういうことか、と実感しました」
「ファンデーション&濃いアイメイクは仕事のときだけに限定」
バブル時代を彷彿とさせるビジュアルがトレードマークのノラさん。太く濃い眉にブルーのアイカラーというバッチリメイクを施した姿を思い出す方も多いはず。
「実はキャラクターが定着してからは、お茶の間になじむよう、メイクを少しずつナチュラルにマイナーチェンジさせていったんです。濃いメイクをすると、しっかり落としきれないまま次のメイクを乗せて、また肌が荒れ……という悪循環も起こってしまっていたので。ちなみに、プライベートではファンデーションやウォータープルーフマスカラを使うことをやめました。ほんのり色付く化粧下地を顔全体に伸ばしたら、眉マスカラと、お湯で落ちるマスカラをさっと塗っておしまい! 昔はビューラーも必須でしたが、目がかゆくなったり、抜け毛が気になるので、こちらも使わないように。今は肌や目に負担がかかる要素を取り除き、なるべく素肌やそのままの自分のパーツを生かすメイクを心がけています」
■平野ノラさんが40歳を機に「始めた」ことは?
「“触らない美容”を徹底することで、肌の調子がぐんぐんよくなった!」
ノラさんが芸能界入りして驚いたことのひとつが、「美容に関する情報量の多さ」だったといいます。
「ヘアメイクさんに『これいいよ』と教えていただいたり、商品をいただくことが増えて。みなさん、肌にこんなにお金や手間をかけているのか!と驚愕しましたね。私もそれに倣って、高いクリームを塗りたくってみたり、逆にワセリンだけにしてみたりと、色々試しましたが、どうも肌の調子が上がらず……。そんな中、40歳目前で出会ったのが、『触らない美容』でした。例えば、洗顔するときは泡を顔にそっと乗せて包み、水をやさ~しく当てて流したら、ティッシュ2枚をそっと置いて水気を吸わせるようにしています。タオルで肌をゴシゴシこするのは厳禁! 触らないケアをするようになってから、肌の赤みがだいぶ減りましたね」
「“体の中からきれいになる”ことを実感させてくれた、漢方&青汁」
漢方ダイエットに出会う前は、「肌にいいらしい」と聞いた様々なサプリメントを、一日に何種類も摂っていたというノラさん。処方された漢方ドリンクや漢方サプリを飲むようになってからは、その純粋な効き目を体感したいと思い立ち、市販のサプリをお休みすることにしたそう。
「もともと肝臓や腎臓が弱かったので、それらの働きを改善してくれる漢方を処方していただきました。正直、市販サプリに関しては、その効果をあまり実感できていなかったんですが、漢方はすごく自分の体に合っていたみたい。漢方を生活に取り入れてから、全体的に体の調子が良くなりました。加えて、
一日3回の青汁も習慣に。
健康になれば、その結果肌がきれいになるということを、身を持って感じました。娘が大人になるまで元気でいなくちゃ!という気持ちが強いので、健康のためにもこの2つは続けていきたいですね」
「40代になった今は、確信を持ったケアができていると思う」
40代になった現在、ノラさんが日々続けている朝晩のケアは、やさしく汚れを落としてから、オールインワンジェルを塗るという、たった2ステップのシンプルなもの。長年の不調から抜け出すために、色々な美容法を試して辿り着いた結論は、「何を使うか」よりも「どうケアするか」だったといいます。
「参考にしているのは、自分より少しだけ年齢が上で、肌がきれいな方々のインスタグラムなど。先ほどお話しした“触らない美容”も、美肌の先輩方がそろってこすらないケアを実践しているのを見て、これはよさそうだなぁと。それをそのまま鵜呑みにするのではなく、本などで裏付けとなる医師の見解を読んでから、自分なりに納得した上で取り入れました。昔は流行りに振り回されることも多かったけれど、今は気持ちにゆとりができ、確信を持ってできるケアのみを効率よく行えている気がしますね。今はこのお手入れがベストですが、肌や体は変わっていくもの。『~であるべき』という考え方をせず、常に自分の体の声に耳を傾けて、そのとき心地いいと感じる最善のケアをしていけたらいいなぁと思っています」
撮影/浜村菜月〈LOVABLE〉 ヘア&メイク/佐々木シエラ スタイリスト/NIMU〈まきうらオフィス〉 取材・文/栗田瑞穂 企画・構成/織田真由(MAQUIA ONLINE)