コンテ、グリュイエール、エメンタール、ボーフォール、パルミジャーノ・レッジャーノにグラナ・パダーノ…… ハードタイプのチーズにも様々ありますが、どれも名前通りの固く締まった組織を持ち、味わいは凝縮感がありながらもクセがありません。好き嫌いの分かれるナチュラルチーズですが、ハードタイプなら食べられるという方も多いのではないでしょうか。
コンテ、グリュイエール、エメンタール、ボーフォール、パルミジャーノ・レッジャーノにグラナ・パダーノ…… ハードタイプのチーズにも様々ありますが、どれも名前通りの固く締まった組織を持ち、味わいは凝縮感がありながらもクセがありません。好き嫌いの分かれるナチュラルチーズですが、ハードタイプなら食べられるという方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなハードタイプチーズを代表する「コンテ」、そして、ちょっとマニアックなスイスのチーズ「スブリンツ(スプリンツとも)」と、それぞれに合わせたいパンについてご紹介します。
ハードタイプの代表のコンテには、「ナッツ入りライ麦パン」がおすすめ
スイスと国境を接する、フランスのジュラ山脈一帯で作られているコンテ。寒さの厳しい山岳地帯では、冬の間の貴重な食料として、こういった保存性の高い大型ハードタイプチーズが発達してきました。中でもコンテはその代表格。フランスのナチュラルチーズで最も多い生産量を誇ります。
そんな山のチーズ、コンテに合わせたいのは、山の食材、ナッツの入ったライ麦パン。山のチーズにはクルミやヘーゼルナッツ等、山のものが良く合います。またパン生地自体も、平地で育つ小麦がメインのものよりも、寒冷地で育つライ麦が多く入ったものがぴったり。似た環境で作られたもの同士を組み合わせると、味わいの深さや風味のバランスが取れるのでしっくりきます。
食べる時はごくシンプルに。コンテのスライスをパンにのせて、そのまままたはトーストして、バターを塗りハムと一緒に挟んでサンドイッチにするのも定番です。
硬質で旨みが凝縮されたスブリンツ(スプリンツ)には、「雑穀入りパン・ド・カンパーニュ」がおすすめ
チーズ大国として知られるスイス生まれのスブリンツ。国土の多くを山岳地帯が占めるスイスでチーズと言えば、やはりハードタイプですが、中でも特にその固さで知られているのが「スブリンツ」です。
どのくらい固いかというと、固すぎてナイフで切るのが大変なので、専用のカンナがあるくらい。このカンナで薄くスライスしたものをそのまま摘まんだり、サンドイッチに挟んだり、料理に使ったりします。
そんな固いチーズに合わせるなら、パンもしっかりした歯応えがあるものがおすすめ。さらにチーズの味に凝縮感があるので、パンもそれに負けないしっかりとした深い味を感じるものだとバランスが取れます。例えばライ麦入りのパンはもちろん、雑穀や全粒粉の入りのパン・ド・カンパーニュ等が良く合うでしょう。
ちなみに、専用のカンナが無い場合は、野菜用のスライサーやピーラーを使ってひらひらとスライスしても良いですよ。また、スブリンツはちょっと入手し辛いので、他の固いチーズでも同様に楽しめます。
大事なのは「共通項」を作ること
この6回の連載で、様々なタイプのチーズと相性の良いパンを紹介してきました。
バゲットはどんなチーズにも合わせられる万能選手ですが、あらゆるタイプのパンが手に入る現代の日本。折角ですので、より美味しく楽しめるチーズとパンの組み合わせを探してみるのも面白いものです。
そんな時のヒントになるのが、チーズとパンの味の強さ、食感、ルーツとなる場所、香りなど、どこかで共通項を作ること。また、平地で作られているチーズ(軽い味、柔らかな食感が多い)には白い生地のパン、山のチーズ(滋味深くしっかりとした味、固く締まった組織)には茶色い生地のパン、と、ざっくり覚えておくと選びやすいですよ。
この記事が、チーズとパンを美味しく食べるヒントとなり、皆さまの日常の食卓が、より心豊かで笑顔の多いものになる、そんなお手伝いとなれますように。