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生き方や人間関係に悩んだらこのエッセイがおすすめ![書籍PRが選んだ5冊]

今東西、誰かのリアルな人生から出てきた言葉は、やっぱりドラマチックで感動する。話題のブログをのぞくような気軽な感覚で、エッセイ本を開いて心を潤そう! 愛情や対人関係など、各ジャンルごとに書籍PRがおすすめの5冊を厳選。

【自意識】

他人に対するはにかみや恐れ、みっともなく赤くなる、ぎくしゃく、失語症、傷つきやすさ、それらを早く克服したいと願っていたのだけれど、それは逆であって、人を人とも思わなくなったりこの世のことすべてに多寡をくくることのほうが、ずっとこわいことであり、そういう弱点はむしろ一番大切にすべき人間の基本的感受性なのだった。

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『一本の茎の上に』
茨木のり子著
ちくま文庫 660円

『自分の感受性くらい』などの作品で知られる、昭和から平成を生きた名詩人の散文集。「人間の本質について、また同時代を生きた人との交流などが書かれていますが、どのエッセイも、美しく昇華された言葉が心に響いてきます」

【愛情】

膝にのせると、体を丸めて、ちいさなちいさな頭を私の手の甲にぽとりと落とし、眠るではないか。今までゆきずりの猫しかさわったことのない私は、感動のあまり泣きそうになった。なんてかわいいのだ。ああ、なんて、なんて、なんて。

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『今日も一日きみを見てた』
角田光代著
角川文庫 572円

『八日目の蟬』などのベストセラー小説で知られる作家が、愛猫について綴ったフォトエッセイ。「生き物への驚きや嬉しさ、愛おしさがみずみずしく描かれています。読むと小さなものを、たまらなく可愛がりたい気持ちになるかも」

【生き方】

なぜ、友達に愉快なヤツだと思われる必要があるんだろう。こういうタチの人は自動的にみんなに気をつかって、サービスしてしまうんだろうけれど。それは他人のためというより、つまりは自分の立場をよくしたい、自分を楽なポジションに置いておきたいからだということをもっとつきつめて考えてみた方がいい。

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『自分の中に毒を持て〈新装版〉』
岡本太郎著
青春文庫 814円

日本を代表する芸術家の生きざまと、パワーが詰まったエッセイ。「30代は何かと迷いも多い時期ですが、自分らしくいるために叱咤激励してくれる一冊。なかなか努力が実らない......などモヤモヤ感を抱えたときにおすすめです」

【ユーモア】

私の人生を見下ろしている神様は、オメーの人生そんなはずねえからな、と、本当に絶妙なタイミングで釘を刺してくる。

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『そして誰もゆとらなくなった』
朝井リョウ著
文藝春秋 1540円

バイラ読者とは同世代にあたる朝井さん。“ゆとり”をタイトルにしたエッセイの最新作。「残念な日常も、失敗続きな日々も、あははっと笑いながら読めてしまう筆力の高さ。何も考えたくないときに脳内をゆるめてくれます」

【対人関係】

相手に伝える言葉はローマの食事のようにシンプルであれ。ご大層なものをつくりあげようとしなくていい。ただ、テーブルに載せればいいだけ。

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『食べて、祈って、恋をして〔新版〕』
エリザベス・ギルバート著
那波かおり訳 ハヤカワ文庫 1320円

映画化もされたベストセラー。30代前半で生き方のリセットを試みる著者の旅と成長の記録。「自分がボロボロだと感じたら読んでほしい。大事なものを捨て去り、一歩踏み出した先にこそ、新たな世界や幸せがあると思えてきます」

取材・原文/石井絵里 ※BAILA2022年11月号掲載

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