※このコラムはVERY2023年2月号(2023年1月7日発売)に掲載されたものです。
2022年10月に無事三女を出産し、なんとか元気に過ごしています。助けられているのは育休をとったパートナーの働きぶりと、第三子にして導入した「トッポンチーノ」。お下がりをいただき使ってみたらとても便利なんです。モンテッソーリで使われている、赤ちゃんよりひとまわり大きいくらいの薄いお布団で、これごとなら安定して誰でも抱きやすいし、背中スイッチも作動しづらく、何より赤ちゃんが安心するのだそう。たった数カ月しか使わないアイテムだけど、あるのとないのとではQOLが違うなあと実感しています。
今だからよくわかるけど、2人目の出産後は私も産後うつのような状態だったと思います。ずっと出口の見えないトンネルにいるような気持ちで、「私は、ずっとここにいなきゃいけないのかな?」と思っていました。「2人産んでみたけど、やっぱり無理って思ったら誰かが引き取ってくれるだろうか?」とか「産んだことはこの子たちのためになってない、迷惑をかけている」という思考にぐるぐると陥ったり…。当時余裕がなくて常に睡眠不足で、2人をお風呂に入れたり寝かせたりするのが、とてつもない重圧で終わりのないことのように感じていたんです。私は元々ポジティブな性格で、これまでそうした考えに乗っ取られたことがなかったから余計に戸惑ってしまって。当時長女は2歳で、毎日公園を2つハシゴしないといけないくらい元気。でもお昼寝はベビーカーの中でたっぷりとるというルーティンがあって。お昼寝する長女のベビーカーを押しながら、次女を抱っこして、自分も寝てしまわないように公園でトリプルエスプレッソのラテを流し込んでいました。もしうっかり寝て「SHELLYが子どもをほっておいて公園で昼寝」ってスポーツ紙に書かれるのも怖かったし、それより何より「お母さんなのに」と周りに後ろ指差されるのを恐れてたんじゃないかな。ちゃんと子育てしないと、という思いが強くて、周囲に「大丈夫?」と聞かれても「大丈夫!」と答えていました。
3人産んで、私はやっと上手に周囲に甘えられるようになった気がします。本当は、1人目でも、「大丈夫じゃないよ」「助けて」って言える世の中になったらいいなと思うんです。
アメリカのことわざで、「自分のコップが空っぽだと子どもに何も注げないからまず自分を満たして」というのがあるのですが、産後のママには特にそれが必要。日本だとどうしてもまず子どものコップを満たそうとするし、そうすべきという価値観があると思う。でも、まずは自分が補充して子どもに向き合うことが大切。そして子どもとの関係以前に、夫婦の関係を潤しなさいともよく言いますし、本当にそうだなあと実感しています。
私は今、シッターさんに週2〜3回来てもらい、育児の手伝いやお掃除もしてもらっています。片付けや洗濯のプレッシャーもないし、しんどくなる前に意識して寝るようにしました。そうしたら1、2人目よりやっぱり体調がいいんですよね。長女の時より自治体のケアが増えているのも実感するし、「私のワガママかな?」と思わずに、託児や家事サービスで楽になれそうならどんどん活用してほしいです。新生児期でママの代わりが難しいと感じる場合もあるかもしれないけど、だからこそ周りが「大丈夫?」を飛び越して「疲れていそうだから昼寝して」「お茶でも」と一歩踏み込んで介入することも大切なんじゃないかなあ。これからご出産の方々、産後の方々。まずはご自身のコップをたっぷり満たしてくださいね!
◉SHELLY|シェリー
1984年生まれ、神奈川県出身。14歳でモデルとしてデビュー以後、タレント、MCとして幅広く活躍。6歳と4歳と0歳の娘の母。
久しぶりに千葉に行った時にビーチクリーンしてきました! ゴミを見つけるのをこんなに楽しめるなんて(笑)。ついでにヒトデも見つけて興奮!
撮影:須藤敬一 取材・文:有馬美穂 編集:羽城麻子
*VERY2023年2月号「シェリーの「これってママギャップ?」」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。