自宅やオフィスで仕事中に。疲れがたまる前の“1分ほぐし習慣”をご紹介します。
巡りを促すことで仕事で疲れた体を癒す。
デスクワークをしているだけなのに、疲れや肩こりなど体の不調を感じるのは、主に2つの原因があると治療家の小池謙雅さん。
「一つは、パソコンを使って目を酷使することで眼神経が興奮して交感神経が優位になり、体が緊張すること。もう一つは、机の前で長時間、体を動かさずに集中して作業を行うことで、血の巡りが滞ることが挙げられます。人間の体は適度に動くことで筋肉が収縮し、血流を促すので、コリや痛み、むくみといった不調の解消には、仕事の前後や合間に、ちょっとした運動を取り入れることが、すごく大事なんです」
ここでは、血の巡りにアプローチできる、1分でできる簡単なエクササイズを紹介。
「筋肉を包んでいる膜である筋膜に働きかけて体の緊張をリリースし、血流を良くします。スマホなどのタイマーで30分、1時間などと仕事をする時間を設定し、アラームが鳴ったら1分やってみるのがおすすめです。疲れの回復はもちろん、頭がすっきりして集中力が高まるなど、仕事をするのにいいコンディションも作れます」
始業前の1分ほぐし
デスクワークで一番負担のかかる背中をケア。
まずは頭や腕、脚などにつながる背中を緩める運動から。両腕を前に伸ばして手を組み、息を吐きながら腕を前に出す。呼吸をしながら30秒キープ。その後、腕を左右交互に捻り、腋の下を伸ばす。これを30秒間繰り返す。
ガチガチに張った首全体を優しく緩めて。
右手を頭に置き、首をゆっくりと右に曲げて10秒キープする。そこから、頭を右前に向けた状態で10秒、さらに右上に向けて10秒キープ。この時、左手で椅子の座面を持つとより負荷をかけられる。反対側も同様に。
眼精疲労を取って顔まわりもスッキリ!
目の疲れを取り、首が緩むメソッド。机に肘をつき、口の両端から指2本分ほど下にある骨のくぼみに両手の親指を押し当て、頭の重みをのせる。親指を軽く曲げ、ゆったり呼吸をしながら頭を左右交互に1分間動かす。
前腕と指をほぐしてダル重さを解消。
まずは左腕を前に伸ばし、手首を上に曲げる。右手を使い、左手の指を人差し指から薬指まで1本ずつ反らすようにしながら、無理のないところまでしっかりと曲げていく。30秒行ったら、反対の手も同様に。
タイピングで酷使した前腕をしっかり伸ばす。
右腕を前に伸ばし、手のひらを下に向ける。左手を使って右手の指を包み込みながら、右手の指をしっかりと内側へ曲げる。さらに中指をクイッと内側に入れ、手のひらにつけたまま30秒キープ。反対の手も同様に行う。
腕を前に出すと疲れる三角筋にアプローチ。
キーボードを打つ時に前に出る腕の疲れを解消。右腕を体の左側に向けて伸ばし、左腕で右腕を抱えて体に引きつける。右腕は肩と水平にキープしたまま、伸ばした腕を左右に30秒間捻る。反対の腕も同様に行う。
猫背など姿勢の悪さが気になる人に。
猫背などが原因で縮まったお腹の筋肉を伸ばすエクササイズ。両腕を上げ、片手でもう片方の手首を掴み、息を吐きながら体をゆっくりと右へ倒す。同様に、今度は体をゆっくりと左へ倒す。この動作を1分間繰り返す。
長時間座ってむくんだ脚の血流を促進!
椅子に座り、左脚の膝頭に右脚のふくらはぎをのせる。右脚の重みを使って圧をかけながら、足首を上下に30秒間動かす。反対側も同様に。ふくらはぎをほぐすと全身の血流が良くなり、背中のこわばりも取れやすくなる。
小池謙雅さん 治療家、鍼灸師、柔道整復師。トリガー鍼灸院グループ代表。鹿島アントラーズのトレーナーを務めた経験の持ち主。著書に『疲れて「もうムリ!」と思った時にすぐ動ける!トリガー体操』(文藝春秋)。