「日本良学」代表の藤本宏人さんは、日本に古くから伝わる暦から開運のエッセンスを抽出し、人々に伝える暦のエキスパート。そんな藤本さんによると、“吉日”は運の上昇気流に乗るための手がかりだという。
「日本人は昔から、世の全ての事象には波があり、それが上がったり下がったりすると考えていました。吉日は、波が上昇するタイミング。そこで波に乗れば、自分の運気も上向きになると信じていました。暦も吉日もたくさんの種類がありますが、現在まで残っている吉日は、多くの人が経験から“効果がある”と確信を得たもの。だからこそ、大切に伝えられてきたのです」
ここでは、7月の吉日をご紹介します!
7月2日(陰の大吉日)
辛酉(かのととり)、大明日(だいみょうにち)、神吉日(かみよしにち)、平(たいら)、房(ぼう)
この先のよい変化を心に描いて。
この日は十干十二支の暦で「辛酉」にあたる。辛も酉も「陰の金」、すなわち鉱物を表す言葉。硬いもの同士がぶつかって大きなエネルギーが生まれ、変化や変革が起こるという。さらに見えない領域が吉とされる「陰」の大吉日であるため、何か行動を起こすより、変化に向かって計画を立てたり、夢や理想を思い描く方がベター。お金に関連する吉日でもあるので、家計簿のつけ方を変えてみるのもよい。
7月5日(陽の大吉日)
甲子(きのえね)、天恩日(てんおんにち)、箕(き)
知的探究心を発揮して行動を起こそう。
「甲子」は、60種類ある十干十二支の1番目にあたる日。そのため何かを始めると、よい結果につながる。さらに二十八宿という暦では探究や研究に吉があるとされる「箕」の日に該当し、暦注下段の暦においては天から恩恵をうけられる「天恩日」。そのため、何か勉強や習い事を始めたり、興味がある分野の本を読み始めたりすると、周りからサポートを受けられて、理解が進みそう。
7月10日(陰の大吉日)
己巳(つちのとみ)、大明日、神吉日、母倉日(ぼそうにち)、開(ひらく)
金運を開きたい人はここがチャンス!
十干十二支の「己巳」は、お金や芸能の神様である弁財天様の生まれた日であり、ご縁日。そのため、お金の管理や習い事の準備に吉あり。弁財天様は女性の味方なので、特に女性の活躍に支援が集まる。さらに暦注下段の暦で「神吉日」は神様の機嫌がよいという意味で、同じく暦注下段の「大明日」は太陽の光が降り注ぐという意味。何事も大船に乗ったような、明るい気持ちで楽しむとうまくいく。
7月14日(陽の大吉日)
一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)、大明日、神吉日、満(みつ)
意中の人を誘ってランチやディナーに。
選日の吉日「一粒万倍日」には、一粒の籾が万倍もの稲穂になるという意味があり、この日にした願い事は万倍化の影響を受けて実りやすくなるという。この日は特に、仲良くなりたい人を食事に誘ってみると理想的な展開に。古くから日本では、食べ物に神様のエネルギーが入っていると考えてきた。神事が吉を呼ぶ「神吉日」に一緒に食事をすれば、万倍化パワーでその人との仲がうまく進展しそう。
7月23日(陰の大吉日)
一粒万倍日、大安、大明日、天恩日、神吉日、母倉日
家族や友人の優しさに感謝をする日。
一粒万倍日をはじめ多くの吉日が重なり、8月の大きな上昇気流に向かって運が開けていく大吉日。暦注下段の「天恩日」、「神吉日」「母倉日」をつなげると、天の神様が人を慈しみ、恩恵を授けてくれる日、と読み解ける。そこから導かれるキーワードは、思いやりと優しさ。自分を助けてくれる身近な人への感謝を心に抱き、笑顔で接していると、のちのち嬉しい出来事につながるはず。
藤本宏人さん 日本の文化、歴史、世界観から30年以上「ご利益」を研究する「日本良学」代表。著書に『365日のご利益大全』(サンマーク出版)。メルマガ「ご利益1万倍のこよみメール」は毎日配信中(「こよみメール」で検索)。
※『anan』2023年6月14日号より。イラスト・津村仁美 取材、文・風間裕美子
(by anan編集部)