イギリスの名門、サセックス大学の「どのような行為がストレス軽減に役立つのか」という調査研究によると、読書がひときわ高いストレス軽減効果を持っていることがわかりました。「6分間」黙って本を読むだけで、心拍数は低下し、筋肉の緊張が緩和。読書こそ、忙しいママたちが毎日短時間で簡単に取り組めるストレス解消法なのです。そこで、おすすめの本をご紹介します!
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目次
【文学コンシェルジュおすすめ3選】ネームバリューのある作家の本を読書への入口に
右:『短歌のガチャポン』 穂村 弘/小学館
「今日の一首」がその日一日染みわたる。短歌界の第一人者・穂村弘が古今東西の短歌を100首選びエッセイをつけている。短いながら、イメージが読み手の中で深まるのが「6分」読書にうってつけ。現代短歌にもただならぬ作品がたくさんあります。
中:『私のことだま漂流記』 山田詠美/講談社新聞の日曜版の
新聞の日曜版の連載は読みやすくて読みごたえがある日本を代表する女性作家の本格自伝小説。毎日新聞の日曜版に連載されていた作品なので1日1章を読み進められる。「一人の本好きの少女が作家という人種になるまで」が重厚感たっぷりに読み手の胸に立ち上がります。
左:『傲慢と善良』 辻村深月/朝日新聞出版
めくるめくストーリー展開に「6分のつもりが……」。婚活をテーマにしたミステリー小説。前半は女性目線、後半は男性目線で書かれています。話の半分くらいで視点が変わり「ああ、そういうことだったのか」と分かった時の驚愕は圧巻。明日の続きを読むのが待ち遠しい1冊。
代官山 蔦屋書店 文学コンシェルジュ 間室道子さん
「読書は究極のひとりぼっちの行為」です。でも読んだ後、「これ面白いよ!」と誰かにおしゃべりしたくなる点では、本は最良のコミュニケーションツールでもあります。今回は話が弾みそうな3作をご紹介しました。普段あまり本を読まない方はまず書店に足を運び、スタッフのお勧めを聞いてみては? きっと世界が広がります。
【書籍ライターおすすめ3選】他の人たちの身近な日常や日記に触れてみる
右:『老人ホームで死ぬほどモテたい』 上坂あゆ美/書肆侃侃房
短い文の中にこそ「言葉の響きの美しさ」が凝縮される。STORY世代より若い世代の歌人、上坂あゆ美の初の歌集。日常のワンシーンの中に忘れていた感覚、ビビッドな感性に感動します。読んだ後は頭の中がデトックスされた感覚に。あとがきまでしっかり読んでほしい作品。
左:『ポンコツ一家』 にしおかすみこ/講談社
辛い介護の話さえ笑いに変える「ものの見方」の鋭さがすごい。FRaUwebでの連載エッセイの書籍化。認知症の母、ダウン症の姉、酒好きの父、一発屋の自分を含めて「ポンコツ一家」と名付けました。介護を通して家族が再結成していく日常がユーモアのある文章で書かれています。
手前味噌ですが……
『ママはキミと一緒にオトナになる』佐藤友美(小学館)
Webメディア「kufura」で連載された子育てエッセイ。9歳の息子との何気ない「会話」からリアルな日常が見えてくる。息子の言葉に笑ったり、考えさせられたり、悩んだり。子育て世代にお勧めです。
書籍ライター 佐藤友美さん
私にとって「読書」とはその時の心の状態が表れてしまうもの。本を読んでいると立ち止まって思考の旅ができます。いい本とは、たくさん考えさせてくれる本。物語を楽しむのはもちろん、本を通して自分が考えたいことを考えるため、思い出したいことを思い出すために本を読んでいるのだと思います。
撮影/吉澤健太 取材/山崎智子 ※情報は2023年6月号掲載時のものです。
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