芳醇な香りがふわっと鼻をくすぐり、ほお張るとリッチなコクに心奪われるバターサンド。ここ数年人気が続き、さまざまな味や形に進化を遂げています。この夏はひんやりとした口どけのバターサンドで火照った体をクールダウンしてみてはいかがでしょうか。
美味しさだけではなく、見た目やシェアしたくなる焼菓子をご紹介するこの連載。第57回目は「dessert place SHIKISAI(デザート プレイス シキサイ)」の「霜柱を物語る|アイスバターサンドクッキー」をご紹介します。
デザート専門店の洗練されたセンスをアイスバターサンドに
バターサンドというと、こってり重いイメージがあるかもしれませんが、夏だからこそ食べたくなるのが「霜柱を物語る|アイスバターサンドクッキー」。凍ったまま食べるバターサンドは今まで何回か食べたことがありましたが、洗練されたビジュアルは「これは贈り物にも選びたい!」と、バターサンドの最上級を見つけたようでワクワクと心高鳴りました。
手がけるのは、大阪府大阪市にある「デザート プレイス シキサイ」。国内外の星付きレストランなどで腕を磨いた平山信行シェフが創作するスイーツは、彩りや香りを大切に、口どけや余韻まで計算されていて幸せな時間が長く続きます。
そんな感性をバターサンドに落とし込んだきっかけは「むかし食べたクッキーサンドアイスがすごく好きで、バターサンドも凍ったまま食べたらクッキーがサクサクして美味しいのではないか」というひらめきから。冷凍でも食べられるように、平山シェフの挑戦が始まりました。
ザクザククッキーとバタークリームの冷たい口どけにうっとり
クッキーがバタークリームと馴染んでしっとりやわらかくなったものよりも、しっかりした食感のクッキーの方が好きだという平山シェフ。フランス産の強力粉と北海道産の中力粉を使うことで小麦の香ばしさを引き出し、まるで霜柱のようなザクザクした食感を実現。
また、冷凍でも食べられるようにバタークリームの味の濃さの調整や、空気の含ませ方に試行錯誤したそう。口の温度でバタークリームがひんやり口どけると、バターの豊かなコクや香りが広がってなんとも贅沢です。
「抹茶&チョコチップ」「イチゴ」「キャラメル&アーモンド」「ピスタチオ&ホワイトチョコチップ」「チョコチップ&アーモンド」の5種類が入っていますが、想像以上の濃さに驚いたのが「イチゴ」。自家製のイチゴコンフィチュールをバタークリームに練り込み、凝縮したような甘味や華やかな香りにうっとり心奪われます。
ひときわ贅沢感を感じられたのは「キャラメル&アーモンド」。キャラメルとアーモンド、それぞれ違う香ばしさが一体になると上質な大人味に。
他の3種類も素材が引き立てられ、凍った状態とは思えないくらい風味や香りをしっかりと感じられます。
手で持ちやすく、少しずつ口に入れて食べられるフォルムなので、じっくりとその味わいを楽しんでみてくださいね。この夏の自分へのご褒美はもちろん、おしゃれで感度が高い方への贈り物にもどうぞ。