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完成は“10年後”―――喫茶店らしさとカフェらしさが同居する亀戸「喫茶 東京郊外」

旅行・おでかけ

文筆家・喫茶写真家の川口葉子さんが亀戸にある喫茶店を紹介します。

喫茶ライターがナビゲート!“10年後に完成する”喫茶店/喫茶 東京郊外

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喫茶ライターの川口葉子です。本記事でご紹介するのは“10年後に完成するような喫茶店”をコンセプトに、2022年春に亀戸にオープンした「喫茶 東京郊外」です。
亀戸駅から歩くなら、亀戸中央公園の樹々を眺めながら12分。亀戸駅から1駅の亀戸水神駅で降りれば、徒歩わずか1分という近さです。
同店の魅力は、昔ながらの喫茶店を再解釈し、現代のカフェの要素とハイブリッドにしていること。テイクアウト用の小窓を設けた白壁とタイルの外観は、最近のスタイリッシュなカフェのよう。されど扉を開けて足を踏み入れれば、ノスタルジックなビロード風の赤いソファが並ぶ喫茶店。アーチを描く壁が巧みに空間を区切ります。
古い喫茶店やスナックをリノベーションしたのかと思いきや、倉庫だった物件をスケルトンからつくりあげたのだそう。

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ドリンクメニューにも、カフェらしさと喫茶店らしさが同居しています。フラワードリッパーで丁寧に淹れる「コーヒー」(500円)もあれば、レトロなデザインのエスプレッソマシン「FAEMA」で抽出する「カプチーノ」(650円)もあり、どちらもしっかりしたクオリティーの味を楽しめます。つまり、喫茶店とカフェのいいとこ取り!

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「今までに食べたなかで一番美味しい!」――そんな熱い感想を伝えたお客さまが何人もいるという「オムライス」(1,000円)を筆頭に、「ナポリタン」(850円)、「プリン」(550円)といった、喫茶店の王道メニューが勢ぞろい。喫茶 東京郊外を共同経営する2人組、遠藤さんと越智さんが何度も試作を繰り返して辿り着いた、こだわりと工夫が詰まった美味しさです。

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たとえば湯気をあげて運ばれてくる、銀色の皿にのった「ナポリタン」。その美味しさの秘訣は、高火力でケチャップにしっかり火を入れて酸味を飛ばすこと。ちょっとパンチを効かせるために、隠し味にカレー粉も加えています。

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千葉県市川市で生まれ育ち、趣味のヴィンテージバイクを通して親しくなった遠藤さんと越智さん。「喫茶 東京郊外」という魅力的な店名は、市川のような都心からほどよい距離感をもつ“郊外っぽさ”が、亀戸にも漂っていることから名付けたのだそう。
“10年後に完成するような喫茶店”とは何か。2人にうかがいました。
「バイクにも喫茶店にも共通することですが、古くから続いてきた文化が好きなんです。でも、僕らが好きな“昔の喫茶店“をいま作ろうとすると、新品にサビ風の塗装をしたりして、わざとレトロ感を演出することになる。それは嘘になっちゃう気がして。だからポイントとして古い家具を取り入れつつ”いまっぽさ“を大事にして、10年くらい経った頃に『ああ、やっと望んでいた喫茶店らしくなったね』みたいな形になれば良いと考えています」

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長い時間を経て完成していく喫茶 東京郊外。その日を迎えるために、2人は地元の常連客とも遠来のお客さまとも気さくに言葉を交わしながら日々を重ねているのです。
空が広く感じられる街の美味しい喫茶店へ、でかけてみませんか。

喫茶 東京郊外

所在地
東京都江東区亀戸 8-19-3 エミネンス亀戸
最寄駅
亀戸水神

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