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[綾瀬はるかさんインタビュー]仕事や家族、今後の目標など40代に向かう今の生き方とは?

芸能界デビュー以来、数々のドラマや映画に出演し、たしかな演技力で俳優として活躍し続ける綾瀬はるかさん。そんな綾瀬さんが40代に向かう今、思うこととは? 一つひとつの経験を重ねる中で迷いながら手に入れた、のびやかで凜とした生き方についてお伺いしました。仕事や家族、今後の目標など綾瀬さんの美しさ、パワーの源に注目です。

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綾瀬はるかさんスペシャルインタビュー【仕事について】

俳優
綾瀬はるか
1985年3月24日生まれ、広島県出身。2000年に芸能界デビュー。たしかな演技力で俳優として活躍し、NHK大河ドラマ『八重の桜』をはじめ数々のドラマや映画に出演。

同じ志を持つ人と仕事ができるのは、すごく幸せなこと。

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今回約2年ぶりに放送される『義母と娘のブルース』(以下『ぎぼむす』)のチームは、私が10代だった頃から一緒にお仕事をしてきた間柄。信頼関係ができているので、撮影中もすごく安心感ありました。“もっといいものを作ろう”という志をみんなが持っていて、そのためには絶対妥協しない。そういう姿勢がすごく好きだなって。ドラマに限らないけれど、 “こんな感じでいいかな”って思っている人が一人でもいると、現場に諦めの空気が漂っちゃうんですよね。そうやってなんだかスッキリしないまま終えるのって、すごくもったいないじゃないですか。せっかく作品を作るのなら、さらなる高みを目指したい。私自身、年齢を重ねるごとにその思いが強くなっているので、同じ志を持っている人たちとお仕事できることは本当に幸せだなって感じます。

すべての出来事はただの通過点。そうやって人生は続いていく。

新しい作品に入る時は、今もやっぱり緊張します。クランクインの前は楽しみというより「ヤダよ〜!」という感じ(笑)。でもスタッフさんと仲良くなったり、監督とコミュニケーションをとったりする中で徐々に自分の課題がわかってくると、やっぱりそれに応えたいと思うんですよね。 逃げ出したいと思う時もあるけれど、そういうしんどい瞬間を乗り越えないと、求められているものに応えられない。なので、“私って、本当はこういう刺激を求めてるんじゃない?”と無理やり自分に言い聞かせるように。そうやって大変な時間を切り抜けた時はやってよかったと心から思うけれど、時に“もっとできたな、悔しいな”と反省することも。でも、作品ってその一瞬一瞬がすべてなので、こうなるようになっていたんだと思うことにしているんです。振り返って“あ〜!”と思うこともあるけれど、それで人生が終わるわけじゃない。通過点にしかすぎないし、そうやって流れていくものなんだと受け止めています。

これからは、一つひとつの作品をより丁寧にやっていけたら。

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20代前半くらいから、ずっと走り続けてきた感覚があります。少しペースを落とすつもりだった30代も、気づけば結構ハイペースで……。なので、これからは40代に向かって一つひとつの作品をより丁寧にやっていきたいという気持ちが生まれているんです。もちろん、これまでだって妥協をしたことは一度もないですよ。今考えているのは、現場に入る前のこと。作品の準備段階から参加したり、脚本について打ち合わせをしたり。そうやって、一緒にやる作業や時間をさらに増やしていきたいなって。作品って一人で作るものではないから、時には出来上がったものを見て“あっ、こうなったのか”と感じることも。なので、作品によっては私も一緒に話し合いに参加しながら進めていくやり方も取り入れていくといいのかな、と思っています。

綾瀬はるかさんスペシャルインタビュー【家族や愛する人について】

大人になった今は、素直に「大好き!」と言うように。

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以前は少しシャイなところがあって、家族や周りの人に対してありがたいなと思っても、そのままの想いを口にすることにちょっと照れくささを感じる部分があった。でも大人になるにつれ徐々に素直になってきて、今の方が「ありがとう」とか「大好き!」って素直に口にしているかも。昔から母親に対しては恋愛相談でもなんでもオープンに話す方だったので、そこの関係性はあまり変わっていないんですけどね(笑)。ただ、出会ってきた人たちの影響なのか、愛情表現の仕方は少しずつ変わってきた気がします。今改めて感じるのは、気持ちを素直に伝えるのってすごく大切だということ。いまだに恥ずかしくなる時もあるけれど、相手に対して思ったことはできるだけストレートに口に出せたらいいなと思いますね。

無条件で自分を愛してくれる存在が、パワーの源に。

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誰かとずっと一緒にいるのは疲れるっていう人もいるけれど、私はまったく苦じゃないんです。友達との旅行も同部屋でいいし、夜中までずっとしゃべっていられる。彼氏の悪口を永遠に聞かされたらしんどいけど(笑)、基本的に聞くのも話すのも好きですね。子供の頃も兄はゲームをするためにすぐに自分の部屋に戻っていたけれど、私は居間にずっと居座っていたタイプ。寝るギリギリまで家族としゃべっていたので、誰かと一緒に過ごすのが当たり前になっているんだと思います。もちろん、一人でもお菓子を食べたりしてのびのび楽しく過ごせるけれど、家族や友達のように心を許せる存在が近くにいてくれるのってすごくホッとするんですよ。無条件で自分を応援して愛してくれる人がいるっていうだけでパワーが湧いてくるし、いろんなことに頑張れる気がします。

今あるものに目を向けたら、十分幸せなことに気づきました。

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人に限らず家具や食器にも言えることですが、自分の周りにあるものは愛情を持って大事にしたいなって思っています。たまに携帯をポンッと放って、怒られたりもするけど(笑)。ただ、愛情って自分が満たされていないと人に与えられないと思うんです。私自身も自分に自信が持てず、“私の取り柄って何?”と思ってしまった時期があって。愛されて育った若い頃はただ幸せで、“周りのみんなを笑顔にしたい”っていう気持ちでいたのに、その時期はそう思えなかった。でも、そうやって落ち込んでいた時にふと“でも、自分には大事な人も仕事もある。それで十分幸せじゃん”って気づいた。人と比べて、“同い年なのに私は社会的なことができないし、こういう演技もできない……”と落ち込むことをやめて、“まあいっか、自分らしくいこう”と考えるようにしたら、すごく気持ちがラクになりました。あとはやっぱり、母親に助けられた部分も。自信をなくしている時に「何言っとんさ、すごいじゃん」みたいな言葉をかけてもらうと、「やっぱり? そうだよね!」と即回復(笑)。何気ない言葉だけれど、本当にありがたいですね。

綾瀬はるかさんスペシャルインタビュー【時の重ね方について】

役と一緒に、自分も成長している感覚があります。

『ぎぼむす』が始まったのは約5年半前。亜希子さんという役とは、その間一緒に成長している感じがあるんです。戦国武将みたいなキャリアウーマンだった亜希子さんが、シリーズを重ねるごとにお母さんの顔になって。今では「戦国武将の感じで」と言われると、“どんな感じだっけ?”と戸惑うほど。私自身もその間に出会いや別れを経験したり、いろんなお仕事に挑戦したりして、亜希子さんと同じように変化しているなって感じます。確実に年はとっていますしね(笑)。ただ、子育てに関しては以前の方がリアルに感じていたかも。当初は幼少期のみゆきと接していたこともあって、“子供がいるとこんな感じなんだ、楽しいな”って思っていた記憶が。今は上白石(萌歌)さんが演じているので、“自分の子供”というより大人の役者さんと共演している意識の方が強いかもしれません。

年齢を重ねる中で、人生を選択できる楽しさを実感。

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昔から“ずっと子供のままでいたい”という感覚でいたので、“早く40代になりたい”と思ったことがなかったんです。でも年齢を重ねるほどに、人生を選択できる楽しさを感じるようになった気がします。それに、経験値が増えて人の相談に乗れるようになってきたことも、年齢を重ねて良かったと感じることのひとつ。以前は「いやいや、私に聞かれても(汗)」という感じで、相談されるのが苦手だったんです。今は私もいろいろと経験して少しは大人になったから、「自分の時はこうだったけど……」と伝えられるように。ただ、いくら人からアドバイスをもらっても、自分でつまずいて泥んこにならないと気づかないこともあるんですよね。泥だらけになって初めて、“あ、こういうことだったのか”と本当の意味が理解できる。そうやって一つひとつ経験を重ねていくことも大事だなって思います。

自分を狭めてしまう経験は手放していきたい。

仕事を続けていれば、経験値は自然に増えるもの。10年前と比べると、現場で感覚的にわかっちゃうことって結構増えてきました。その気づきをどのぐらい受け入れて活かしていくかに関しては、常々考えていますね。一方で、経験があることで“出来て当然”と思われる部分も。ましてや私は自分で勝手にプレッシャーをかけちゃうことが多く、“当たり前にできなきゃダメだ。いや、それよりもっと上を表現しなきゃ”と追い込みがち。でも、そういう時こそ経験値や自分が何者であるかを全部捨てて、心から湧き出る感情だけで演じようと思っているんです。答えが見えている時も、「それって本当かな?」と自分を疑ってみると、別の可能性が見えてくることも。積み重ねてきたものから課題を見つけつつ、自分を狭めてしまう経験は手放す。そのバランスを上手にとっていけたらいいですよね。

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