教育費や食費、娯楽費など子どもを育てているとなにかとお金がかかってきます。なかなか思うようなお金の使い方ができなかったり、子どもに贅沢をさせてあげていないと感じたりしたときに「もっとうちにお金があれば」と子どもに申し訳なく思うことも。そんななかママスタコミュニティに寄せられたのは「うちにはお金がないことを子どもに言えないまま」というタイトルのこんな投稿です。
『ギリギリの生活のまま小学生になってしまった。子どもがやりたい習い事や誕生日やクリスマスにほしいおもちゃなんかは買ってあげている。服も安い服だけど新品で買っている。生活に必要なものは一応不自由なく用意できてはいるけど、そのうち貧乏だって勘づくのかなあ』
投稿者さんによると、周囲には子どもにいくつも習い事をかけ持ちしていたり、ブランドものの洋服やバッグを持っていたりするママが少なくないんだとか。家や車が大きい家庭も多く、「なんでそんなに余裕があるんだろう」と疑問に思いつつ、自分の家と比べてしまっているようです。そんななかお金がない家であることを小学生のお子さんに伝えずにいるとして、「うちが貧乏だといつ気づくのかな」と不安に思っている様子。この投稿に対してどのようなコメントが寄せられたのでしょうか。
親の散財で子どもにお金をかけてあげられないのはダメだけど……
『小3くらいで私は気づいたな。不自由なこともあったし、当時は嫌だったけど大人になれば別に。親の散財とかじゃないなら、仕方ないと開き直ってやれることやるしかないよ』
『うちはずっと大学は行かせられないと言われていて、高校さえも自費だった。給食費とかも毎回遅れて払っていてすごく恥ずかしかった。自分が大人になって気づいたけど、両親ともにお金のかかる趣味や毎朝のモーニングやタバコ、お酒など自分たちにはお金をかけて見栄も張っていた』
投稿者さんのお子さんと、自分の子ども時代のことを重ねていた人たちからはさまざまなコメントが寄せられていました。まずは「うちもお金がなかった」というママたちのコメントを紹介しましょう。自分の家庭が裕福ではないことに小学生で気づいたというママは当時の不自由さを振り返りつつ、大人になった今ではそこまでネガティブに捉えていないことを綴っていました。一方で、親の散財のせいでお金がなかったというママは今でも親のことを恨んでいる様子。お金がない理由や背景も重要であることがうかがえますね。お金がない事実は変わらなくても、親が切り詰めて子どもの幸せのために精一杯頑張っている姿を見せることで子どもの感じ方も大きく変わってくるのでしょう。
『うちは貧乏だからと言われて育ったけど、実はそんなに貧乏じゃなかった。贅沢はできないよってことは伝えておいたほうがいいかも』
『うち逆に全然物にお金をかけてくれなくて「うちってお金ないんだな」と思っていたんだけど、家を建てたときに1000万円もらった』
「うちは貧乏だよ」と言われて育ったものの、蓋を開けてみれば全然違ったというケースもありました。「お金がない」「貧乏」というのがどの程度のことを指すのかは、人によって感覚が違うでしょう。しかし、普段から贅沢はできないけれどもたくさん貯蓄していたのであれば、貧乏ではなく計画性があるということです。また「うちにはお金がないよ」とあらかじめ言っておくことで、余計な物を買わないようにしたり他の子どもと比較して不要に妬んだりしないようにと、親なりに工夫していたのかもしれません。「うちは貧乏だよ」と子どもに言うにしても、いろいろな背景があることがわかります。
子どもの性格によって「うちにはお金がない」の受け取り方や行動が変わってくる
『習い事にイベントプレゼント、服を買えるなら貧乏じゃないよ!』
『子どものやりたい習い事も、子どもの喜ぶ一大イベントもさせてきたなんて、いい親御さんじゃないの。いつか自分たちを何よりも優先で育ててきてくれたことに気づいてくれると思うよ。ひどい家だとおもちゃどころか、子どもが親の顔色をうかがってほしいものも言えなくなるよ』
一方で、そもそも投稿者さんの家庭は決して貧乏ではないのではないでしょうか。お子さんに希望の習い事に通わせてあげ、プレゼントにおもちゃも買ってあげています。湯水のように使えるお金はないにしても、いたって一般的な家庭のように見えます。お子さんの態度が「親の顔色をうかがう」ようでなければ、過剰な危機感を持つ必要はないのでは? 「あまりお金がないにしても、頑張ってプレゼントを買ってくれたことにいつか気づいてくれるよ」というコメントもありました。
『子どもによるのかな。息子はほしいと思ったものは手に入れないと気が済まないタイプ。そこそこ大きくなって金額が張るようになったら、お金が入ったのを見計らって催促してくるようになった。下の娘は我慢タイプ。「ほしいと言わないな」と思っていると、自分でお金を調達してくる(お小遣いを貯めたり、お年玉やバイトなど)。だから娘が「これが必要」と言うと、どうにかしてでも買ってあげたくなる。たぶん2人とも貧乏とは思っているけど感じ方が違うんだろうね』
また子どもの性格やタイプによっても、受けとめ方が変わってくるという意見もありました。その子どもに合わせて、親の対応も変える必要が出てくるでしょう。お金がないという事情を気にして親に遠慮する子どもであれば、勇気を出して「あれがほしい」と言った際にはお金を切り詰めてでも買ってあげたくなるかも。一方で、お金の有無に関係なく自分がほしいものを要求するタイプであれば「うちにはお金がないから我慢して」と強めに言う必要も出てくるでしょう。お子さんに「うちにはお金がない」と伝えるかどうかは、投稿者さんのお子さんの性格をよく考えて決めてもいいかもしれませんね。
本当に困窮しているなら正直に言っていい!ただ言い方には気をつけて
『そんなに困窮していると思っていなかったんだけど、高校進学の直前に自己破産。中学に行っている間に家具とか差し押さえられた。投稿者さんはそのレベルの貧乏じゃないかもしれないけど、やんわりと子どもにお金の話はしておいたほうがいい。子どもにとってはトラウマになるから』
『言っていいよ! 言い方は大事だと思う。「あなたのためなら多少無理はするから、お金持ちじゃないけど必要なものは言いなさい」って』
ママたちのコメントを見ていくと、親が見栄を張って荒いお金遣いをした結果貧乏になってしまった人たちからは親への恨み節の声が聞かれていました。彼女たちのケースは実際にはお金がないことは知らされておらず、困窮してから事実を知った人もいます。子どもながらに傷ついたことでしょう。一方で、お子さんに「うちにはお金がないよ」と伝えておくことは、プラスに働くこともあるかもしれません。将来のお子さんのために貯金をする必要があるため、今はそこまで贅沢はできないということをしっかり伝えておくこともいい教育になるはずです。数年後の大学進学や結婚の際などに、貯めた貯金をお子さんのために使ったときに初めて「昔お金がないと言っていたけど、このときのために貯めていてくれたんだ」とお子さんも理解してくれる日がくるのではないでしょうか。ただ子どもの性格やタイプを見極めること、言い方も気をつける必要があるでしょう。「うちにはあまりお金がなくて贅沢はさせてあげられないけど、あなたのために一生懸命に働いているからね」と、お子さんのことを深く愛しているからということも忘れずに伝えたいですね。
文・AKI 編集・kunel イラスト・Ponko