よろスィーツ!スイーツ芸人のスイーツなかのです。
2020年、田園調布に誕生した「サヴール」。「町の洋菓子店」というコンセプトにぴったりの小さなお菓子屋さん。主張しない控えめな看板に、白を基調としたすっきりとした外観。店内に派手な装飾は一切無く、お菓子と向き合うナチュラルな空間作り。
初めて訪れたとき、この雰囲気に心を掴まれて、美味しいお菓子と出会える予兆のような、胸の高鳴りを覚えました。
名物のバターケーキ「ガトー・ア・ラ・クレーム」は、お店と統一感のある極めてシンプルな佇まい。白く覆われた長細いフォルムは、まるで大きなバターのようで、なんとも言えない愛しさを覚えます。
カットするとスポンジとクリームが重なり合った断面。どこかクラシックさが伝わる、やさしく落ち着いた色合いにほっこり。スパッと切るとクリームの角がしっかりと立ち、水羊羹のような凛とした切り口に。こういうところに美しさが感じられるのも、バターケーキならではの醍醐味でしょう。
「バターケーキは、甘すぎる、重たい」。
そんな印象を抱く方もいるかもしれません。ただ、そういう人にこそ、この「ガトー・ア・ラ・クレーム」を食べてほしい。ひと口食べたら、そのイメージをひっくり返す自信があります。
そのくらい、このバタークリームが絶品。思ってる以上にくちあたりが軽やかで、口どけがこんなにも良いのかと感じるはず。程よく塩気が効いたあまじょっぱさに、心地よいコクを感じながら、旨味が上品に伝わってくる。この上ないバランスの良さに、洗練されたつくり。
バタークリームも極上ですが、スポンジ生地も素晴らしい。クリームにふんわりと寄り添い、いっしょに食べたときの一体感がたまらない。なんという相性の良さ。
砂糖、小麦粉、塩、一つ一つ食材を選びぬき、その持ち味を生かした実直な味わい。シンプルに見えるからこそ、いかに丁寧に向き合って作っているのか、食べるとよく分かります。
大切な方への贈り物としても、自分へのご褒美としても使いたくなる、素晴らしいバターケーキです。
ナイスィーツ!