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布団まわりの環境から寝具、寝る前のルーティンまで…夜の温活テクニック

夜の温活をすることで、睡眠の質は一気にアップし、寒い朝でもすっきりと起きられるようになる。そこで布団の中はもちろん、布団まわりの環境から寝具、寝る前のルーティンまでを総まとめ。

汗をかかず、快適に眠れる温度をキープ。

熱を逃がさない部屋で、寝るまでの時間をゆっくり過ごしても、いざベッドに入ったら、寒くて眠れないようでは、意味がない!

「寝る時に布団の中が冷たいと、せっかく温まった体の熱が奪われて、睡眠の質が一気に落ちてしまうため、布団の中はできるだけ事前に暖めて、快適にしておくことがキーポイント」(睡眠コンサルタント・友野なお先生)

ただし、それでも途中起きてしまうようであれば、布団の中はもちろん、寝室の環境を見直すべき。

「暑すぎて寝汗をかいたり、逆に一日のうちで一番気温が低くなる朝方3~5時に寒くて起きてしまうようであれば、今の環境が自分に合っていない証拠。ここで紹介しているテクニックを参考に、寒さ対策しましょう」(内科医・石原新菜先生)

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1、加湿器は50~60%設定で乾燥を防ぐ。
エアコンをつけたまま寝る場合は、加湿器を使用し、乾燥対策を万全に。「乾燥しやすい冬こそ必要不可欠。一般的には湿度を50~60%に保つのがよいとされています」(友野先生)。ただし加湿器の吹き出し口の向きに要注意。「布団に当たってしまうと、放出された水蒸気でびちゃびちゃに」(石原先生)

2、パジャマは体への負担が最小限のものに。
パジャマは装飾が少ないシンプルなものを選ぶのがおすすめ。「化学繊維の生地や、フード付き、厚手のモコモコすぎるものなどは、強い摩擦が起きて十分に寝返りが打てなくなる場合があり、寝具との相性が悪く不向き。パジャマを選ぶ際は、綿など天然繊維のもので、シンプルな作りのものがベスト」(友野先生)

3、爪もみで血行を促進。

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寒さ対策を万全にしてベッドに入っても、なかなか眠れない時の最終手段が爪もみ。「指先には神経線維が集まっているため、爪の付け根を押して刺激すると、副交感神経が優位になり血行が良くなり、体がぽかぽかしてきます。ただし薬指は交感神経につながるツボがあるため避けましょう」(石原先生)

4、あったかベッドパッドで背中からぽかぽかに。
背中側が暖かいとよく眠れる。「シーツの下に敷く暖かいベッドパッドを使うのも手。体圧分散性が高いものなら、スムーズな寝返りもサポートしてくれます」(友野先生)

5、ゆるゆる靴下で靴下の必要性をチェック。
就寝中に靴下を履くか履かないかは、永遠のテーマ。「温活の観点から言えば履くべきですが、足の汗が蒸発せず、蒸れてしまう可能性が。そこで締め付けが少なく、通気性が良い靴下がおすすめで、つま先のないものがなおよし。それを履いて寝て、朝暑くて脱いでいるようなら、自分には就寝中の靴下は必要ないと思っていいでしょう」(血管外科専門医・林忍先生)

6、電気毛布&湯たんぽで冷えやすい部位を温める。
末端や内臓の冷えが気になる人は、湯たんぽや電気毛布で気になる部分を温めるのも有効。「電気毛布は全身を温めることもできますが、つけたまま寝ると汗をかきやすいため、足元だけ温めたり、寝る時にスイッチを切って余熱を有効利用するのもありです」(石原先生)。「内臓の冷えが気になる人は湯たんぽをお腹にのせ寝ると、朝までぐっすり眠れます」(友野先生)

7、冬は暖色系に寝室の衣替えを。
暖色系で寝室を統一すると、視覚的に暖かさが増す。「色彩心理学によると、色の違いで人間の体感温度に影響を与えることがわかっており、実際に体感温度を上げる色が黄色やオレンジなどの暖色系。よって冬は、掛け布団や枕カバー、パジャマなど何かしら替えられるものを暖色にするだけで◎」(友野先生)

8、乾燥が気になる人はオイルヒーターを活用。
寒くてエアコンをつけて寝たいけれど、加湿器をつけても乾燥が気になる人は、オイルヒーターに頼るのも手。「オイルヒーターは、空気を乾燥させずに、温度を効率的かつ一定に保つことができます」(友野先生)

9、サーキュレーターとエアコンの併用で、空気を巡らせる。
エアコンをつけたまま寝る場合は、サーキュレーターを活用。「暖かい空気は上、冷たい空気は下に溜まり、よどみが生じやすいため循環させること。その際、風が体に直接当たらないように注意して」(友野先生)

10、布団の上に毛布で空気の層を厚くする。
掛け布団の枚数や順番によって、暖かさが全く変わってきます。「1枚より複数かけた方が、空気の層を厚く保てるため、冷気を遮断し、内側の熱を逃がさず、暖かさを感じやすいといわれています。また羽毛布団は体温を感知して膨らみ、保温性を高める性質があるため、羽毛布団の上に毛布を掛けることで、高い保温効果を発揮します」(石原先生)

11、照明は不安にならない程度の暗さで。
寝る時の照明は、明るすぎないこと。「夜間に光を浴びてしまうと体内時計の乱れにつながるため、メインの明かりは消しましょう。豆電球や間接照明を使うなど、不安にならない程度の暗さがよいでしょう」(林先生)

12、寝る1時間前からデジタルOFF。
睡眠の質を高めるため、デジタルデトックスを夜のルーティンに。「一定期間スマートフォンやパソコンと距離を置くことで、心の安定感やリラックス効果を得られます」(石原先生)。またデジタル機器から発せられるブルーライトは、メラトニンの分泌サイクルを乱す可能性があるため、寝る前の使用は控えよう。

プロフィール

石原新菜先生

内科医。イシハラクリニック副院長。温活の大切さを伝える活動に尽力。講演、メディア、執筆活動と幅広く活躍中。新著に『免疫力アップ! 温活ランニング』(主婦の友社)。

林 忍先生

血管外科専門医。横浜血管クリニック院長。慶應義塾大学外科学教室非常勤講師。著書に『「冷え症外来」の医師が教える 冷えとり習慣』(イースト・プレス)がある。

友野なお先生

睡眠コンサルタント。SEA Trinity代表取締役。行動療法からの睡眠改善、快眠を促す寝室空間づくりが得意。講演活動、商品開発やコンサルテーション、執筆活動などを行う。

イラスト・ユリコフ カワヒロ 取材、文・鈴木恵美

anan 2425号(2024年12月4日発売)より

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