おでん、ぶり大根、ふろふき大根と、冬は大根がおいしい季節。そんな大根は、実はダイエットの強い味方でもあります。そこで、大根がダイエットをサポートしてくれる理由や、おすすめの食べ方などを管理栄養士の浅野まみこさんに教えていただきました。また、大根がたっぷり摂れるレシピもご紹介。大根がおいしいこの時期に、おいしく食べて冬太りを解消しましょう!
気になる「大根」のQ&A
Q.大根の旬はいつ?
「大根は、スーパーなどで1年中手に入りますが、旬は11~2月の冬です。寒い時期の大根は甘みがあってみずみずしいのが特徴。春夏に出回る大根もありますが、こちらは辛味が強い傾向があります」
Q.大根がダイエットにいい理由は?
「大根は約95%が水分なので低カロリー。食べると満腹感があり、食べ過ぎを防ぐことができます。また、むくみ改善によいカリウムや便秘改善によい食物繊維が含まれているほか、でんぷんの消化酵素であるアミラーゼを含み、消化を助けます。さらに、大根の辛み成分のイソチオシアネートは、脂質代謝の改善や肝臓の解毒作用の活性化、胃液の分泌促進などの効果があり、ダイエットをサポートしてくれます。
それから、大根は葉に栄養素が多いのもポイントです。大根の葉には、抗酸化作用の高いビタミンCやβ-カロテンが多く含まれ、細胞の修復を助け、美肌効果が期待できます。また、葉には根の部分よりカリウムが多いうえ、骨を丈夫にするのに必要なカルシウムや、女性が不足しがちな鉄分、貧血の改善や妊娠中や出産後に特に必要になる葉酸なども豊富。葉付きの大根を買って、葉も捨てずに食べるのがいいでしょう」
Q.どのように摂るのがおすすめ?
「大根に含まれるアミラーゼとイソチオシアネートは、すりおろして細胞が壊れると増えますが、加熱すると失われるので、この2つの成分を摂りたい場合は、大根おろしにして加熱せずに食べましょう。ただ、食物繊維やカリウムは加熱しても失われないので、これらの成分を摂りたい場合は、煮物や炒め物などにして摂るのもおすすめです。(カリウムは水溶性ですので、汁ごと食べられるものが◎)
大根にはタンパク質は含まれていないので、肉や魚などのタンパク質食材と組み合わせるのが理想的。大根をいちょう切りにして鶏肉や豚肉などと一緒に炒め物にするのもバランスよく栄養が摂れます。
また、食物繊維をしっかり摂りたいなら、切り干し大根にするとたくさん食べることができます。大根をピーラーなどでスライスし、ザルや網、バッドなどに並べ、1日ほど天日干しにすると水分が抜けて、食感のいい手作りの切干し大根に。切干し大根というと油揚げと一緒に煮るのがおなじみかもしれませんが、生でも食べられます。(市販の切り干し大根も生で大丈夫です)水で戻してからサラダや酢の物などがおすすめ。切り干し大根とツナ、パクチーを少量のマヨネーズとポン酢であえたサラダはシャキシャキ食感が楽しめておいしく、満腹感が高いのでダイエット中にいいです。煮物や炒め物も味がしみやすく、食感も楽しめます。
食物繊維の1日の摂取量の目安は25gですが、切干大根は100g中に21.3gの食物繊維が含まれ、目安量の大部分を摂ることができます」
Q.1日にどれくらい食べるといい?
「特にどれくらい摂るとよいという目安はありません。ダイエットをしたいからと大根ばかりを摂るのではなく、ほかの食材も組み合わせてバランスよく摂りましょう」
以下から、手軽に大根が摂れる常備菜や、タンパク質食材を組み合わせた主菜、切り干し大根を使ったレシピをご紹介するので、さっそく作って毎日の食事に取り入れてみて。
鶏肉と大根の甘酒キムチ味噌煮込み
材料(2人分)
鶏もも肉 200g
大根 1/4本(200g)
片栗粉 小さじ2
米油 小さじ1
甘酒 1カップ
キムチ 100g
にんにく(すりおろし) 1片分
味噌 小さじ2
小ねぎ 少々
作り方
① 鶏もも肉は大きめのひと口大に切り、片栗粉をまぶしておく。大根は厚さ1.5㎝の半月切りにする。
② 深めのフライパンに米油を入れ中火にかける。鶏もも肉と大根を入れ、肉の色が変わり、大根が透き通ってきたら甘酒、キムチ、すりおろしにんにく、味噌を加え、蓋をして弱めの中火で12分煮込む。
③ 器に盛り付け、小口切りにした小ねぎをのせる。
この食材が効く!
「米麹で作られた甘酒には皮膚の角質層で水分をつなぎ止めるセラミドの元になるグルコシルセラミドが含まれ、肌のうるおいとバリア機能を高めてくれます」
切干大根とアミえびの春巻き
材料(5本分)
春巻きの皮…5枚
切干大根…40g
A
アミえび…4g
塩…小さじ1/2
ごま油…小さじ1
酢・黒こしょう…適量
作り方
① 切干大根は軽く洗ってぬるま湯で15分戻し、よく絞る。
② ①とAをボウルで合わせ、よく和える。
③ 春巻きの皮に②をのせて包む。巻き終わりに水溶き片栗粉(分量外)をぬり、口を閉じる。同様に残り4本も包む。
④ フライパンに油(分量外)を注ぎ(底から0.5㎝程度でよい)、火をつける。油の温度が上がったら揚げ焼きにする(170℃前後が目安。表面に色が付けばOK)。
⑤ 酢と黒こしょうを合わせたタレをつけながらいただく。
※切干大根は水でも戻せるが、ぬるま湯のほうが早く戻せる。最初に軽く水で洗うことで、雑味やえぐみが落ちる。