美容好きさんほど情報に振り回されてスキンケア迷子に陥りがち! いつでも明快な“美の正解”を教えてくれる友利新先生にスキンケア選びの秘訣を聞いてみました。
星の数ほどあるアイテムの中から、確かなものを選び抜くために—!
教えて、友利先生
「私に効く」を間違えないスキンケアの選び方
教えていただいたのは
皮膚科医・内科医
友利 新先生
医師として多くの肌悩みと向き合う傍ら、雑誌やYouTube等で美容情報を精力的に発信している。わかりやすい解説にファン多数。
肌とライフスタイルの分析が美肌への最短ルート
今すぐ止めた方がいいのは、SNSで見た美肌の人が使っているものをそっくり真似すること。美肌のために必要なケアには個人差があります。年齢や肌タイプはもちろんですが、住んでいる場所が沖縄などの日照時間が長く気温の高い地域なのか、北海道のような日照時間が短く、気温も低い地域なのかでも変わってきますし、紫外線を浴びる機会の多さや睡眠の質、ストレス状況などのライフスタイルの違いもまた、無視できないファクターとなります。例えば「透明感が欲しい」のに日中に屋外にいることが多いなら、紫外線による炎症のケアをまず重視した方がいいですし、そうでないならメラニンの排出ケアに勤しむのも有効。自分の肌や暮らしについて徹底的に分析することこそが、美肌に最短で到達するための秘訣。また、大前提として一瞬で肌が変わる化粧品はありません。1回でシミが消えるレーザーにはかさぶたや赤みといったダウンタイムがあります。そのリスクを負わない化粧品の効果実感が、多少ゆっくりなのは必然なこと。そこを理解しておかないと、化粧品の優秀さには気づけません。
スキンケアを正しく選ぶために
覚えていてほしい5つのポイント
巷に溢れる美容情報の中には間違いや誤解が意外とあるもの。そこで、友利先生が提唱する正しいスキンケア選びのための5つのポイントをご紹介!
POINT1
アレルギーがない限り「◯◯フリー」という言葉に踊らされない
「どの成分も安全性など、メリットがあるから配合されています。最近、SNSで“酸化亜鉛フリー”という言葉をよく見かけますが、実は老化への影響が強いUV-Aのカットに有効な成分。未配合だとPA値が少し下がるという弊害が。アレルギーがないなら避ける必要は実はないのです」
POINT2
“高濃度=良い”は間違い! 成分の濃度には適正値がある
「成分ごとに適正濃度は異なり、0.1%で十分なものもあれば、10%ないと効かないものもある。また肌状態によっては高濃度が刺激となり、肌荒れを助長する場合も。高濃度推しの化粧品すべてがダメではないですが、必ずしも美肌に直結するものではありません」
POINT3
自社で研究開発部門を持っている大手メーカーはやっぱり安心!
「特にプチプラコスメに関しては、日本の大手メーカーは群を抜いて優秀。ロート製薬の肌ラボ、資生堂のアクアレーベル、花王のビオレなど、自社の研究開発部門があるブランドは、最新知見の導入のスピードも早く頼れます」
POINT4
成分よりも大切なのは作り方。処方の違いでクオリティが変わる
「配合されている成分は同じでも、量、攪拌の速度や温度、入れる順番などで全く別のものが出来上がるのが化粧品の面白いところ。どんな成分を入れているか以前に、どんな処方になっているか。その技術力の差が、化粧品の品質の差になるのです」
POINT5
日本と海外だと成分濃度の基準が違うという前提を知る
「成分濃度を粉末の状態で測るのか、成分を溶かした溶剤で測るのか。その測定基準は国によってマチマチ。日本は世界でも厳密な方ですが、そうでない国もたくさん。選ぶ際には数値だけでなくそこにも注目を」
MAQUIA 6月号
撮影/魵澤和之〈まきうらオフィス〉(友利先生) 藤本憲一郎〈A.K.A.〉 ヘア&メイク/鈴木京子 スタイリスト/槇 佳菜絵 取材・文/新井じゅんこ 構成/火箱奈央(MAQUIA)
ジレ¥30800/ドゥクラッセ ピアス¥18700/ヴァンドームブティック 日本橋三越本店(ヴァンドームブティック) そのほか/本人私物
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