なんなら本を読んだ後は、人がなぜ不倫してしまうのかも、理解できるようになる。不倫を許せるかどうかという問題以前に、生物的な人間は、永遠の愛を持つことができないのかもしれないということも分かる。
だけど、哲学者たちは諦めない。恋愛を通じて、幸せな人間関係を得るためにどうしたらいいのかを考え続けてくれた。哲学は学問なので、彼らそれぞれの意見には一定の合理性があり、筋が通っている。
恋愛という、終わりも途方も無いテーマを、一歩一歩コマを進めるかのように考えてくれた哲学者たち。だからこそ、彼らの意見には納得性を感じることができる。
この本をどんな人に勧めたいか……そう聞かれたら「今の自分から、本気で変わりたいと思っている人」と答える。一般的な恋愛本と比べて読みやすいとは言えないが、納得感はピカイチだ。本気で変わりたいのに、今まで行動に移せなかった人。自分の人生に「幸せな恋愛」は不可避だと思っている人。ぜひ、本を手に取ってみてほしい。
(ミクニシオリ)
※この記事は2025年05月24日に公開されたものです