「歯磨きだけじゃ、においは防げない」って知っていましたか? 気になる口臭対策について、産婦人科医の上田弥生先生、内科医、認定産業医・の桐村里紗先生に聞きました。
大多数の人が持っている細菌が、元凶!
内科的な病気や虫歯を除いて、口のにおいの原因は主に2つ。
「食べたものと、歯と歯茎の間に歯周病菌がすみ着くことで起こる歯周病。問題なのは、後者です。食べ物のカスを歯周病菌が分解するときに、腐ったようなにおいが発生します」
と、桐村先生。歯周病菌は、「20代で約7割、30代だと約8割が持っているもの。磨き残しがあるとプラークと呼ばれる細菌のかたまりができますが、そこをすみかに増えるという性質が。プラークを作らず、歯周病菌を増やさないことが何より大切です。そのためには歯ブラシと、デンタルフロスの併用が欠かせません」
ちなみに対策は「食後に歯磨き」という声が多数だけれど、
「食後すぐは歯のエナメル質が溶けやすい状態。30分ほど経ってから磨くのがベターです」
口臭を抑える4つのPOINTとは?
(1)寝る前と、起きてすぐは必ず清潔に。
口臭の原因となる菌は就寝中に増える。寝る前は歯磨きで清潔にし、起きたらすぐ溜まった菌をうがいで流して
(2)食後30分以内の歯磨きは控える。
食後すぐは口の中が酸性に傾き、歯のエナメル質が溶けやすい環境。30分ほど空けてから歯磨きするのが◎。
(3)歯間ケアは1日1回、必ず。
歯間の汚れは歯ブラシでは取り切れない。プラークが形成される前に、少なくとも1日1回歯間ケアを。
歯間にスルリと入り、汚れを取る歯間ブラシ。ゴムタイプで歯茎にやさしく、奥歯に届きやすいカーブ型。ガム歯周プロケア ソフトピックカーブ型30P SSS~S¥400(サンスター TEL:0120・008・241)
(4)口腔洗浄器があれば、こわいものなし。
桐村先生おすすめのアイテム。「すみずみまですっきりします。やや高価ですが、歯周病の予防効果は抜群」
落ちにくい歯垢を超音波水流が除去。うがいでは排出できない歯周ポケットの汚れもオフ。水圧は10段階調節。ジェットウォッシャードルツEW-DJ71 オープン価格(パナソニック TEL:0120・878・697)
上田弥生先生 産婦人科医。都内クリニックで診療に当たる。デリケートゾーンのアンチエイジングや汗の悩みにも詳しいほか、PHPビジネスコーチングの資格も持ち、メンタルアドバイスも。現在、漢方薬も勉強中。
桐村里紗先生 内科医、認定産業医。予防医学の提唱に力を入れ、診察の傍ら執筆や講演を積極的にこなす。においをテーマに予防医学の大切さを説いた『日本人はなぜ臭いと言われるのか』(光文社新書)ほか、著書多数。
※『anan』2019年4月24日号より。写真・中島慶子 取材、文・新田草子 神武春菜 ©PeopleImages
(by anan編集部)