よろスィーツ! スイーツ芸人のスイーツなかのです。
よろスィーツ! スイーツ芸人のスイーツなかのです。
手土産やプレゼントでスイーツを贈るとき、「なにこれ!」とか「こんなのあったの!?」と驚きとともに喜ばれると、ちょっと嬉しかったりしますよね。そんな「サプライズスイーツ」をご紹介するこの連載。第13回目は、新感覚のクリーム大福をご紹介します。
老舗が作る“まじやばい和菓子”
ここ数年の和菓子界の傾向で、老舗が新しいブランドを立ち上げ、よりカジュアルに和菓子を楽しめるお店が増えています。店主が若い世代に代わり、従来とは違う角度で和の魅力を発信しているのです。今回ご紹介する「クリーム大福」も伝統を踏まえながら新しいエッセンスを加え、こんな大福があったのか!と驚きの美味しさが楽しめます。
店名は「ItWokashi(いとをかし)」。2018年、東京・九品仏に誕生した新しいお店です。和菓子を扱ってるとは思えないような、おしゃれなネーミングですよね。手がけたのは三重県・鈴鹿市にある「大徳屋 長久」で、なんと300年以上続く和菓子屋さん。鈴鹿銘菓の“小原木”が、とっても有名です。
16代目・店主の竹口さんが、プロデューサーのてとてとさんとタッグを組み、立ち上げたのが「ItWokashi」。気になる店名への想いを伺うと、古語の“いとおかし(=超すごい)”と“It girl(=今風のかっこいい女性)”を掛け合わせ、「まじやばい和菓子を今風にチューニングする和菓子ブランド」という意味を込めているそう。
そんなまじやばい和菓子が、このクリーム大福。これ、ほんと、やばスィーツな美味しさなんです。
はじめて手に取ったとき、えっこんなに柔らかいの?!とビビりました。ぱくっとすると、ふわっふわっ、とろっとろっ。大袈裟ではなく、飲めるくらい柔らかいんですよ。もはや、大福を食べるのではなく、飲む感覚。この柔らかさ、一度口にしたら忘れられない強烈なインパクト。
そして、エンタメ性の高いフレーバーのラインナップ。今までの大福にはなかったポップな彩りに、斬新な素材の組み合わせ方。食べる前から、ワクワクしてくるんです。この胸の高鳴りも、調味料のひとつ。
少し前フリが長くなってしまいましたが、これから味について詳しくご紹介しますね。
こんな大福見たことない……
まずは、大福の生地について。
柔らかすぎる秘密は、卵白を入れてからミキサーで混ぜて餅生地を作るそうです。混ぜすぎるとドロっとした生地になってしまうため、繊細なバランス感覚でとろけるような求肥を仕上げます。特に作り立てが一番柔らかいので、大福を容器に入れる時に型崩れしないよう気をつけているそう。
そして、注目のフレーバー。
粒餡&クリーム、葡萄&ラム、烏龍&杏仁、抹茶&レモン、胡麻&マンゴー、苺&ピンクペッパーと、ほんとにこれ大福なの!?と驚くような全6種類のラインナップ。
ぱっと見たときにインパクトがあるのは、マンゴーや葡萄あたりでしょうか。“胡麻&マンゴー”は胡麻入りの求肥にマンゴーピューレを合わせていたり、ラムレーズンをイメージした“葡萄&ラム”は白餡を炊くときにラム酒を使っていたりと、見た目だけではなく製法にもこだわっているところが素晴らスィーツ!
おもしろいところだと、“苺&ピンクペッパー”。苺風味の求肥でピンク色の胡椒、白餡、生クリームを包んだもの。まろやかな甘さに、ほんのりピリッとスパイシーなアクセントが合わさった、和菓子では無いタイプの味わいがナイスィーツ!
どれも共通して感じたのは、“大福を料理する”ような印象です。お酒、お茶、胡椒などの素材と和菓子の掛け算が、こんな味になるんだなあと食べながら発見がありました。食べ比べしていると、まるでコース料理を食べているような贅沢な気持ちにもなり、とっても楽スィーツ!
最後に、パッケージも凄くイイ。
モダンなデザインの中に、かわいさもあって、ほんのりレトロさも感じます。ちょっとした高級感も、手土産やギフトにも使いやすい! カラフルな丸い絵柄は、大福だから丸をモチーフにしているそう。そんなエピソードも、またステキ。色のバリエーションが豊富だから、ジャケ買いもしたくなっちゃいますねえ。
「ItWokashi」は“チューニング”をキーワードに、伝統とトレンドを掛け合わせた次世代のお菓子を提案し続けます。第一弾は大福でしだが、今後はいろんな和菓子をアップデートしていくそう。今度は、いったいどんな“まじやばい和菓子”ができるのか、これからも目が離せない!
ナイスィーツ!