愛妻家とされている人、あるいは自分で公言している人ほど、実際は浮気や不倫をしているような印象がある。それはなぜなのでしょうか。言い換えると、浮気する男性ほど、愛妻家を名乗るものなのでしょうか。今回は、愛妻家が浮気をする心理について解説します。
愛妻家は「情が深い」心理だからこそ、浮気する?
妻と子どもを大事にする既婚男性がモテる理由とは?
芸能界も政界も、不倫話が多いが、長年、不倫取材を続けてきて感じるのは、なぜか「愛妻家」ほど浮気をしがちな印象があるということだ。
いったい、なぜなのだろうか。
ひとつには、その男性が、やたらと「情が深い人」である可能性。誰にでも優しいタイプだ。もちろん、妻にも優しい。ただ、外でも、困った人を放っておけない、必然的に女性から相談を受けることが多い、チャンスがあるから関係をもってしまうことも多い。女性からのアプローチに対しても、すぐにその気になってしまうのだが、これは「女性にそこまで言わせては悪い」という気持ちも働いているようだ。ある意味では、モテる男なのだろうが、「気のいいモテ男」は逃げ足が速くない。だから浮気もバレてしまう。
そのときは反省するし、「もう懲りた」と言うのだが、こういう人は気づくとまた誰かとめんどうなことになっている。憎まれないことが取り柄でもあるのだが……。
愛妻家という名の「恐妻家」は、家で妻に疲れている
妻のために、愛妻家を自称する恐妻家もいる。
愛妻家と言いながら、実は恐妻家である男性も少なくない。「愛妻家」を公言することで、妻のご機嫌を損ねないようにしているタイプ。だが、こういった男性は、心の中では妻への恐怖を感じている。知り合いに、このタイプの男性がいる。
30代後半のその男性の「愛妻家ぶり」は有名だったのだが、あるとき、ふと彼が「他に好きな女性がいる」とこっそり告白してきた。びっくりしたが、彼の言い分はこうだった。
「実は家の中で、妻にすべてを牛耳られているんです。小遣いも月に2万円しかもらっていない。あまりに困って、残業代の一部を別の口座に入れてもらうようにしたほど。でも妻に一言いうと百言くらい返ってくるので、何も言えないし言う気もない。愛妻家だと言っているのは、妻のご機嫌をとるため。それを盾に、妻は『あなたは愛妻家なんでしょ』と女王様状態。ただ、子どもがいるからね、妻の機嫌が悪いと子どもがかわいそう。子どもを人質にとられているようなものですよ」
「遊び」なら、愛妻家のほうが安心感があり、女性側も浮気しやすい?
独身女性が、愛妻家の既婚男性を選んでいるケースも?
また、愛妻家を公言することで、逆に浮気がしやすいと思っている男性もいる。そして実際、愛妻家のほうがモテているのだから、世の中は不思議である。
「最初から愛妻がいるのに不倫関係になろうとする女性は、ちょっと遊びたいだけ。だからお互いに気軽ですよね。前に、独身女性と浮気したとき、『どうして僕だったの?』と聞いたら、『奥さんの悪口を言わないし、家庭がうまくいっていそうだったから』と。その彼女は、結婚する気がないから既婚男性とつきあうほうが気楽なんだそうです。へえ、そういうこともあるのかと思いました」
と、40歳の男性は語った。確かに、結婚する気がなく、長期的に誰かと固定した関係を作りたいわけでもない独身女性からすれば、「愛妻家」とつきあったほうが気楽なのかもしれない。妻とうまくいっていない男性とつきあい、下手に離婚話になって、自分が責任をとらなければならなくなったら鬱陶しいからだ。
また、愛妻家のように見えたり、あるいは愛妻家だと公言したりしている男性は、女性から警戒心をあまり抱かれないのかもしれない。警戒心がないから距離が近づきやすく、そのままなんとなく関係をもってしまうこともあるのだろう。
「私も、どうせなら愛妻家の男性とつきあいたい」――30代前半の独身女性も、とあっけらかんと言った。
「だって優しそうだもの。実は私、以前、上司と2年ほど不倫していたことがあるんです。彼は社内でも有名な愛妻家。社内結婚だったから、当時の奥さんを覚えている人もけっこういます。きれいで知的な女性だったそうです。でも、そんな奥さんと結婚した彼が、今は私とこんなことしてると思うと、けっこう興奮しましたね。愛妻家の男性とつきあっているってけっこう優越感を抱くものですよ」
そんなところで優越感なのか……とは思うが、それもまた女性の本音なのかもしれない。愛妻家の男性が女好きなのか、独身女性が愛妻家の男性を狙っているのか。
不倫自体は刑法に触れるものではないが、不倫がバレれば妻から訴えられたり、職場を追われたりと人生がガラリと変わることもある。「遠くて近きは男女の仲」というように何があるかわからないが、一寸先は闇、とならないよう、男女ともに気をつけるに越したことはないのではないだろうか。
男女の仲はわからないものだ。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。