メリット1:人間関係がうまくいきやすい
特定のコミュニティに所属している場合は、同調行動をとることで相手との心理的な距離が近くなり好意を持たれやすくなります。
人は自分と同じ趣味趣向、考えを持つ人のことを好きになる傾向があるので、相手と同じことをするだけでも人間関係はうまくいきやすくなります。
とくに嫌いなものが一致している場合は、仲間意識が生まれやすいようです。
集団の中で同調行動をとらないということは、孤立してしまうリスクがあり、もしそうなってしまった場合は精神的に非常につらい思いをすることになります。
その点、人間関係がよくなると、有用な情報もたくさん集まってきます。
困ったときに助けてもらうなど、融通し合えるメリットもあるでしょう。
メリット2:安心感がある
日本人は「みんなと一緒」であることを好みます。
同調行動をするメリットは、安心感にあるといえるでしょう。
会社などの場合は、規則やルールを守ったり、会社のカラーに合わせた言動をとったりすることによって、その組織の一員として広く認められるようになります。
まわりと同じ言動をして価値観を共有することによって嫌われる可能性は低くなりますので、居場所のある安心感を得ながら精神的に平和に過ごせるのがポイントです。
メリット3:楽ができる
たとえば、友だちが頼んだものと同じメニューを選んだり、人気ランキングの上位に位置しているお店を選んだりすることは、自分で一からすべてを考えなくていいので楽だという側面があります。
そのうえ、ほかの人からも支持されているということは、それなりの理由があるはずなので満足度も高くなることが多いでしょう。
それに、もしおいしくなかったとしても、「ほかの人も選んでいるのにイマイチだった」という理由が使えるので楽ですよね。
デメリット1:個性が発揮されにくくなる
同調行動をしていると、まわりと一緒という安心感は得られますが、個性は発揮されにくくなります。
「なんとなくみんなに合わせておこう」という緩やかな発想ではなく「自分の考えとちがっていても、まわりに合わせなければならない」と考える人が増えると、人と少しちがうことをするだけでも叩かれる可能性が出てきます。
するとみんなが個性を抑えるようになるので、組織の発展を阻む要因になってしまうことがあります。
デメリット2:窮屈になる
自分の考えと、まわりの人の意向が一緒であれば何も問題はないですが、ちがう場合は、あまり同調行動をしすぎていると、だんだん窮屈に感じてくるでしょう。
自分が思っていることと実際の行動がズレてくると、人はだんだんストレスを感じるようになります。
同調行動をする場合も自分なりに納得していればいいですが、「嫌われたくないから」といった自分を守るための理由だけで行動をしていくと、自分の中で選択肢のない不自由な感覚が膨らんでいく恐れがあります。
デメリット3:まちがったことをしてしまう恐れがある
同調行動で気をつけたいのは、多数派のみんながまちがっていることもある、という点です。
まわりと同じ行動をしていればそのときは安心ですが、何も考えずに行動をしていると、まちがったことに加担してしまう恐れがあります。
たとえばSNSで、ある情報が多くの人によって拡散されていたから自分も同調して拡散してみたとします。
しかしあとになってから、実は事実と異なる情報であることがわかった、という場合もあると思います。
こういったケースでは、結果的に本人がやったことだと見なされてしまうので注意が必要です。