「顔は見た覚えがあるのに、名前が出てこない」「今日、新しく会った人の名前が思い出せない」……なかなか人の名前が覚えられなくて困った経験はありませんか? この記事では、人の名前が覚えられない原因や、人の名前を覚えられない人の改善方法について、心理カウンセラーの萩原かおりさんに解説してもらいました。
萩原かおり(心理カウンセラー)
ほとんどの人は「顔がわかるのに、名前が思い出せない!」とやきもきした経験があるのではないでしょうか。
しばらく会わなかったり、あまり親密でなかったりすると、なかなか名前が思い出せないものです。
今回は、人の名前が覚えられない原因を解説。
久しぶりに再会した人の名前が出てこなくて焦らないように、人の名前を効率的に覚える方法をご紹介します。
なぜ覚えられないの? 人の名前が覚えられない原因
人の名前が覚えられない原因はいくつかあります。
なぜ覚えられないのか、代表的な原因を3つピックアップして解説します。
(1)相手に興味がない
当然ながら、相手に興味を持っていないと自己紹介されてもその場でなんとなく聞き流してしまい、名前が脳に記憶されません。
記憶するには、情報を与えられたときに「記銘(コード化)」する必要があります。
記銘は、記憶する過程のファーストステップ。
私たちは日々たくさんの情報に触れていますから、意識的に情報をキャッチしようと意識しないとほかの情報に押し流されて忘れられてしまいます。
記銘が成功するかどうかは、対象への好意や重要度に左右されます。
相手に一切好意を抱いていなかったり、その情報を重要だと思っていなかったりすると記銘が失敗する可能性が高くなるのです。
名前を覚えるには、相手に興味関心を持つようにしましょう。
(2)覚えようとしていない
そもそも覚えようとしていないケースもあります。
自分で明確に「覚えなくていいや」と思っていなくても、無意識に「どうでもいいや」と思っていて聞き流してしまい、記憶が定着せずにそのまま忘れるパターンは少なくありません。
覚えようとする意欲がないと、記憶に定着しにくくなるのです。
相手に自己紹介されたら「ちゃんと名前を覚えよう」と意識するようにしましょう。
それによって重要度が上がり、さきほど紹介した記銘が成功しやすくなります。
うまく記銘できればそれだけ頭に残りやすくなりますから、名前を忘れにくくなります。
(3)会ったことを思い返さない
記憶の第一ステップは記銘ですが、その次の第2ステップは「保持・保存」です。
保持・保存を成功させるにはリハーサル、つまり何度も何度も情報を反芻して記憶に残そうとする行動が必要になります。
つまり、せっかくAさんに会って話したとしても、Aさんと会ったことをそれ以降思い返さなければ情報が保持・保存されず、名前も忘れやすくなるということです。
おもしろい人や変わった人が印象に残りやすいのは、自然とその人のことを思い返す回数が増えるから。
保持・保存に成功して記憶されやすくなります。