外側の美しさのみならず、内側からにじみ出るようなヘルシーな色気の根源は、睡眠にあると知っていた? 眠りで心身を整え、健康&魅力的でいるための“眠りに効く”一日の過ごし方を、女性外来診療に携わる医師の工藤孝文先生が魅力的で教えてくれました。
目覚めたときから、次の眠りの準備は始まるもの。夜の良質な睡眠に役立つ習慣を、いつも心に留めて実践して。写真では、女優の黒島結菜さんが“ぐっすり女子”を演じてくれました。
Morning
まずはカーテンを全開に。
夜の快眠のためには、一日を通してリズムを整えることが大事。
「起きたら体を活動モードに切り替えましょう。そのために有効なのが、朝日を浴びること。太陽の光には眠りのホルモン・メラトニンの分泌を止め、脳を覚醒させる働きがあります」(工藤先生)
朝はコップ1杯の牛乳を。
メラトニンは、日中の脳の活動を支えるセロトニンというホルモンから作られ、夕方暗くなると分泌され始める。
「セロトニンの原料が多く含まれる乳製品を朝のうちに摂っておくと、夕方のメラトニン分泌に効果的。牛乳やヨーグルトで補給を」
家の周りを5分散歩。
「活動時に働く交感神経を優位にして一日のリズムを整えるには、朝の軽い運動がとても役立ちます。5分ほどでよいので、簡単なジョギングやウォーキングを行って。脳の血流も良くなりますよ」
時間がないときは、通勤途中に意識して歩くだけでもOK。
Daytime
お昼ごはんはたっぷりと。
「昼食をしっかり食べると夜の食事量が抑えられ、睡眠中の消化活動も控えめに。それが安眠につながります。夕食の量が過剰だと、肥満を招く遺伝子BMAL1が活発になる時間帯にも消化が終わらず、脂肪が蓄積する原因にもなるので注意してください」
おやつはGABA入りチョコがGOOD
「夜の食べすぎ防止にはおやつも有効。14時から15時はBMAL1の働きが最も弱まるときなので、食べるならこの時間帯に」
おすすめはアミノ酸の一種・GABA入りのチョコレート。
「GABAには、睡眠の質を高める働きがあるのです」
上体を起こしたまま、20分仮眠。
「昼食後に眠くなるのは自然な生理現象。仮眠を取って脳を休めたほうが心身のバランスがとれ、夜の眠りもスムーズになります。ただしあくまで仮眠にとどめ、寝入らないようにするのがコツ。上体を起こしたまま、20分ほど目を閉じてリラックスする程度に」
会社内の移動は階段を使う。
デスクワークなどで動かない時間が長くなると、脳だけが過度に疲労してしまう。結果、自律神経のバランスが崩れ、睡眠の妨げに。
「日中はできるだけ体を動かしましょう。移動は階段を使う、連絡事項はメールを使わずに歩いて伝えるといったことでも効果的」
Night
夕方以降はカフェインレスで。
「夕方以降は、コーヒーやエナジードリンクなどカフェインの多いものは控えて、水やハーブティーを。ちなみに、緑茶は水出しにするとカフェインが抽出されず、テアニンという安眠効果のある成分が増えるという特徴が。午後に飲むものとしておすすめ」
日が落ちた後は照明を暗めに。
眠りのホルモン・メラトニンは、周囲が暗くなると分泌される。
「夕方以降は間接照明を使い、室内を徐々に暗くしていくのが理想。難しければ、せめて夜はまぶしい光を避けましょう。特に寝る直前のスマホやテレビの光は、メラトニンの分泌を妨げるのでNGです」