がん・感染症センター東京都立駒込病院感染症科部長の今村顕史氏が、新型コロナウイルスによる院内感染に言及した。
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20日、がん・感染症センター東京都立駒込病院感染症科部長の今村顕史氏がツイッターを更新。新型コロナウイルスによる院内感染について言及した。
■「現場の視点でまとめました」
「現場の視点でまとめてみました」と、新型コロナウイルスによる院内感染について記したフェイスブックページのリンクを、ツイートした今村氏。
当該ページでは、「院内感染を完全に防ぐことは難しい」とした上で、この問題については、医療側と、社会側に分けて考えることが重要であると説明していく。
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■医療側のリスクは
まず医療側のリスクとして考えられるのは、「防護服の不足」。基本的に、医療者が適切な防護具をつけ、適切な運用を行っている場合には、新型コロナの感染は防ぐことが可能だが、防護具が不足すれば、感染のリスクは必然的に高まるという。
続いて考えられるのは「重篤患者の増加などによる現場の混乱」。患者数(とくに重篤患者)が増えていき、それに対して十分な人員が補充されていない場合、スタッフの疲労蓄積によって、脱衣や手指衛生でヒューマンエラーが起こる危険性が高まると指摘している。
そして、さらに大きな問題として、「患者の感染がわかっていない場合に起こってくる院内感染」をあげ、そうしたことがなぜ起こるのかの詳細を綴った。
■闘う相手はウイルス
最後に、「社会側での反応に関する問題」について言及。院内感染が起こった病院や施設のスタッフや、そのスタッフの家族に対して、偏見や誤解にともなう過剰な対応などが起こっていると伝える。
これに対し、今村氏は「闘う相手はウイルスであって、決して人であってはいけません」と断言。「今、医療に関わる全ての人は、最前線でウイルスと闘っている人です。自分は、その一人一人を誇りに思っています。その彼らを、ぜひ大切にしてあげてください」と締めくくった。
今村氏の記したメッセージに、ツイッターでは「私達に今求められるものは何か…終わりの言葉に集約されていました。涙が出ました。シェアさせて頂きました」「たくさんの人に読んでほしいです」といった声が相次いでいる。
(文/しらべぇ編集部・音無 まりも)