厚労省も推奨している、塩素系漂白剤を薄めて作る次亜塩素酸ナトリウム液。心強い存在だが、使い方には注意が必要だ
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、アルコール消毒液などの除菌グッズも手に入りにくい状態が続いている。
そうした中、触れる機会の多いドアノブや手すりなどの消毒に有効だとして、厚生労働省が塩素系漂白剤を薄めて作る「次亜塩素酸ナトリウム液」の作り方を紹介し話題に。しかしながら、こちらは取り扱いには十分注意が必要で、メーカーが注意を呼びかけている。
■目に入ると失明の恐れ
「ハイター」や「キッチンハイター」を薄めて消毒液代わりにする人が増えていることを受けて、花王では、公式ページの「最近多いお問い合わせ」ページを充実させ、商品の関連ページには「次亜塩素酸ナトリウムを含む商品の使用上の注意」を多項目にわたって記載。
「『ハイター』『キッチンハイター』が目に入ると、薄めた液でも失明のおそれがあります。十分な注意が必要な製品ですので、必ず使用方法や使用上の注意をよくお読みください」と、扱い方には注意するよう呼びかけている。
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■スプレー容器での噴霧は絶対NG
消毒液といえば、スプレータイプの容器に入れて噴霧して使用するのが便利そうだが、次亜塩素酸ナトリウム液の場合は、この使い方は絶対にNGだ。
花王公式ページによると、「霧状の液を吸い込むことがあり、せき込んだり、呼吸器に異常をきたしたりするおそれがあります」とのことで、スプレータイプの容器に入れて使うことは絶対に避けよう。
■保存はせず、その都度必要量を作る
希釈液を容器に入れて保存することもNGで、薄められた液は次亜塩素酸ナトリウムが分解されやすく効果が持続しないため、その都度必要量を作って使用するのがベストだ。
また、使用した際には必ず換気を行い、使用後は水ですすぐこと、商品には漂白効果があるため、衣服などが色落ちをする可能性があることも呼びかけられている。
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■正しく使えば心強い味方
この次亜塩素酸ナトリウム液の作り方は、防衛省が公開している感染対策マニュアルでも、「物の消毒に有効」だとして、作り方が紹介されている。
マニュアルは防衛省の公式ページから確認することができ、ドアノブ、手すり、受話器、パソコンなど、とくに消毒すべき場所なども解説されているので、ぜひ一度確認してみてほしい。
感染予防対策をする中で、とても心強い次亜塩素酸ナトリウム液だが、使用上の注意を今一度確認し、使い方には十分注意が必要だ。
(文/しらべぇ編集部・衣笠 あい)