転職市場にも影響を及ぼしている新型コロナウイルス。現状についてキャリアコンサルタントに聞いた。
■応募が殺到している会社も
反対に、募集が増えたのは「医・食・住」に関わる仕事。特に、緊急事態宣言が発令されてからは、在宅ワークに必要なものを取り扱う会社やデリバリーサービスを行なっている会社の募集が増え、それとともに応募者も殺到しているそう。
浅賀さんによると、デリバリーを扱う某会社では、4月の応募者数が1月の3倍以上あったというデータもあるほど。
昨今のように経済不況が訪れると「安定企業」を探す人が増えるが、今回のように状況が読めない場合、転職した会社が必ずしも「安定企業」とは言い難いため、今後訪れる経済不況に備えて「自分自身のキャリアを見つめ直し、キャリアを積む事で安定をつかむよう頑張ってほしい」と転職をする上でのアドバイスをくれた。
■小売や医療の募集状況
新型コロナウイルスが感染拡大する中でも、生活を守るために営業を続けるスーパーなどの小売業界や、医療現場で人手不足が加速していると聞くが、実際はどうなのだろうか。
浅賀さんいわく、どちらの業界も緊急性が高いため、短期アルバイトや中途採用は「即戦力を求めている」とのこと。
小売であれば、スーパーの他にもドラッグストアやホームセンターがそれに該当する。また、医療は看護師や介護福祉士など、現場においても「専門職」とされる人材の需要が高いそうだ。
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■短期雇用や大学生アルバイトの重要性
浅賀さんの知り合いで、介護士の資格を持ちながら他の仕事をしている人が、医療現場の現状を見て「手助けをしたい」という声を上げているそう。
浅賀さんは、こうした潜在的ニーズを活かし「短期雇用を国から後押しすることによって、人手不足の現場を少しでも円滑にすることができると良いですね」と理想を語る。
アルバイトに関しては、必要としているところも多くあるそう。そのため「大学生アルバイト数を増加させ、将来の日本を担う若者を少しでも救ってほしいと思います」と、アルバイトが無くなり困っている学生に対して支援の目を向けた。
新型コロナウイルスの猛威により、大きな変化を見せる転職市場。この先どのような状況になるかわからないが、転職を考えている人は今回の話を参考にしてほしい。
(取材・文/しらべぇ編集部・稲葉 白兎)