「緊急事態宣言」が解除され、電車を利用する人の数も増えてきた昨今。しかし新たな悩みの種も見られ…。
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緊急事態宣言が全面解除となってから、はや数日。新型コロナウイルスの驚異が完全に収束したわけではないが、日常が少しずつ戻りつつある。
しかし記者(私)が電車に乗車していると、妙に違和感のある現場に何度か遭遇した。
■電車と座席
通勤・退勤時の電車の座席事情は、かなり重要な存在。人によっては遠回りのルートを選択してでも、「絶対に座れる電車」を追求するケースも珍しくない。
日々の労働で摩耗し切った現代人にとって、電車の座席とは砂漠のオアシスにも匹敵する憩いの場なのだ。とくに人気が高いのはやはり「端の席」だろう。「左右を他人に陣取られていない」という開放感もさることながら、寄りかかって休息をとれるのはかなりアドバンテージが大きい。
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■「不敗神話」の終了か
そのため、端の席は乗客にとっては「真っ先に確保すべきスペース」であった。「端を制したものが勝負を制する」という、まるでオセロの必勝法のような不文律を心に抱いている人も多いだろう。
しかし記者がここ数日、JRや東京メトロの路線を利用していると、どうも端の席に座っている人が少ない印象を受ける。場合によっては端の席が空いているにも関わらず、あえてその隣の席に座る乗客の姿も。
■「多くの人が座るから怖い」
ネット上を見ると、「端の席って多くの人が座る場所だから、少し怖いです」「車両の入り口付近に寄っかかってる人多いし、端の席だとそういう人たちとの距離が近くなるんだよね」「昔は端っこ好きだったけど、今座るのはちょっと…」といった意見が多数見られた。
どうやら端の席に座ることで、「新型コロナ感染のリスクが高まるのでは?」と懸念する人が多いようだ。
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■「端に座らない」人に聞いてみると…
そこで、移動には日ごろ電車を利用している30代の女性に話を聞いてみると、「言われてみれば端の席を避けているかも」という回答が。
今回の質問を受けるまで本人にも自覚はなかったそうだが、「席が全部空いてたら多分、真ん中の席に座ると思います」と話す。無意識のうちに、端の席に不信感を抱いていたようだ。
電車内での距離感をめぐり、「人が怖い」と感じる人も決して少なくない昨今。乗客はかつてないほど、敏感になっているのかもしれない。
(取材・文/しらべぇ編集部・秋山 はじめ)