Q.不安が続き鬱になりそう。前向きになるには?
ー コロナ禍のストレスで「不安が続き鬱になりそう」。長期化しそうなこの状況の変化を受け入れ、前向きになるにはどうしたらいいでしょう?(M.Kさん 42歳 主婦)
A.前向きにならなくていい。 今は、健康維持だけを意識してください。
今、私たちは人類の危機に直面しています。そして人生には正解がありません。先が読めないんだからなおさらです。こんな状況で、そもそも「前向き」って「どっちの方向」でしょうか(笑)。
ポジティブな感情だけが正しいわけじゃない。落ち込んでも、イラついてもいいんです。大事なのはその感情に気づくこと。感情の浮き沈みがあることが人間なのですから、今の状況で「前向き」になる必要などありません。
STORY読者は頑張ってる方が多いですよね? 頑張ることはいいことですが、頑張りすぎて本当の自分の感情を認められない状態が続くと、体に支障が出ます。
感情はあなたの心身の状態を知る大事なサイン。一見ポジティブに見えるアスリートも悩んでいます。不安なのはあなただけじゃありません。
今私たちが意識すべきことは「心身の健康維持」。 あなた自身の人生を見直す機会でもあります。
そもそも私たちはいつでも常に死に直面しています。明日交通事故で死ぬかもしれないのは今に始まったことではありません。こんな時期だからこそ、「今日をどう過ごすことが最良か」と意識してみてください。
ただやみくもに頑張るのではなく、人生の優先順位を常に考えること。大切なことを意識して生きたい皆さんにとっては、今のこの状況こそ自分を高められるチャンスです。
★ 皆さんの質問が本当の悩みなのか、今一度考えてみて
皆さんの質問を見て感じたのは、本当の悩みはもっと違うところにあるのではということ。
コロナ禍によって、ずっと置き去りにしてきた課題があぶり出されただけなのではないでしょうか。先が見えない中、しばらくは目の前にある課題をどう解決していくかって考えるしかないんです。
もしお会いできるなら、「本当のあなたはどうしたいんですか?」とお聞きしたいですね。
イラスト/コナガイ香 取材/稲益智恵子、立花あゆ、小仲志帆 ※情報は2020年9月号掲載時のものです。