日本では社会問題にもなっているフードロス。少しでも社会貢献をと思って注文したフードロスの福袋の中身とは……?
フードロス解決のための通販サイトが増えている。賞味期限が迫ったものやパッケージ変更などで売れなくなってしまった商品を、アウトレット品として安く提供するものだ。
日本では社会問題と叫ばれて久しい。少しでも社会貢献をと思って注文したフードロスの福袋を購入してみた。
■福袋が人気商品。しかし…
新型コロナの影響もあり、今年は一気にフードロス解決通販サイトが数を増やした。野菜や果物を直接生産者から購入できるものや、商品代の一部が募金されるものも。
登録するサイトも悩んだが、記者は「Otameshi」というサイトに登録した。募金先が選べたことと、福袋が人気商品になっていたことが気になったからだ。
ちなみに募金先はコロナ感染対応を行う国境なき医師団や日本赤十字社、フードロスのための非営利活動法人・TABLE FOR TWO internationalなどが選択できる。
ということで、今回は商品30点以上が入って税込3,900円の「もったいない福袋」を購入してみた。どんな商品が入っているか分からないが、入っている商品が最低30点だとしても、商品一つあたり130円で購入できるということになる。
ということで早速開封してみた。しかし、すぐに違和感を覚え始めたのだった…。
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■30種類セットでなく「30点セット」
こちらが中に入っていた商品だ。「30点福袋」の認識が、自分の想像とはずれていた。スーパーで年始に売られる福袋でもこんなことにはならないような気がする。
たしかに「30種類以上」という書き方はされていなかったのだが、思った以上に商品の種類が少なかった。例えば甘酒はダンボールのまま1ケース入っていたのだが、これだけで「商品18点分」になるということだ。中に入っていた食材をまとめると以下になる。
甘酒18本/エリンギの水煮缶5個/塩キャンディ6袋/生姜ごぼう茶2袋/タンドリーチキンの素10袋/ブロッコリーの合わせ調味料5袋
■缶詰は賞味期限が長い一方で…
全体では46点の商品が入っていたが、種類としては6種類。思った以上に賞味期限が迫っていないものが多かったので気長に消費できるものも多かったが、それにしても中には使い方に悩むものも。
まずエリンギの缶詰というものがあることを生まれて初めて知った。さすが缶詰とあり賞味期限は数年後と長めだが、いまいち使用方法に悩む。アヒージョをひたすら作るしかない。
最も賞味期限が迫っていたのはタンドリーチキンの素。こちらは月内が賞味期限だった。単純計算で、1ヶ月のうちにタンドリーチキンを10回、鶏肉の量でいうと3kgを作らないとフードロス解決には繋がらない。
しかしそれは現実的でないので、友人に配ろうかとも思ったが……まだ食べてもいないため「これ美味しいよ」とも宣伝できず、そもそもこれだけ渡すというのも気恥ずかしく、相当仲のいい友人にしか渡せそうにない。
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■ひとり暮らしには重すぎる
中に入っているものの種類にはよるが、これだけ1種類の点数が多いことを考えると、とても一人暮らしでは消費しきれない。せめて種類が多かったら、メインディッシュに、お弁当にとバリエーションが作れそうだが、一つの調味料や食材をアレンジするのは大変だ。
少しでも社会貢献になればとも思ったし、それでいてお得に食品が購入できると思えばありがたかったが、ご近所付き合いのある家庭でないと結局フードの「ロス」を減らすということにはならなそうだ。
開けるまで何が入っているか分からない、福袋としてのドキドキは楽しめたが、会社の仲間やシェアハウスの仲間、ご近所さんなど、先に商品を分けあえる仲間を見つけてから購入を検討されることをおすすめする。
(取材・文/しらべぇ編集部・ミクニシオリ)