料理しにくい「汚キッチン」

「片づけられない女」読者代表の会社員・佐藤ゆりさん(32歳)は、賃貸マンションに夫と2人暮らし。趣味はインテリアショップ巡りというだけあって可愛らしい雑貨はたくさんありますが、整理されておらず、見た目はゴチャゴチャ。料理がしにくく、ついお惣菜を買ってしまうのが悩みとのこと。まな板を置くスペースが狭い、探しモノが見つからない、など、問題がてんこ盛りのこのキッチン、どう変化を遂げるのでしょうか?
キッチンの収納法を教えてくれるのは

指導してくれたのは人気収納スタイリスト・吉川永里子先生。片づけが苦手だった自身の経験から、簡単なのに効果抜群の収納テクを数多く誕生させてきました。著書やテレビ出演も多く、これまで2000人以上に片づけ&収納テクをレクチャー。「片づけれらない女」代表の佐藤さんにも、辛口ながらも愛のある指導をビシバシとしてくれます。
問題点を洗い出して改善!

前回、吉川先生のチェックで判明したキッチン収納の問題点。今回はこれらの問題をひとつずつ具体的に解決していきます。
前回の記事はこちら
ガスコンロ下
Before:段ボールにフライパンを乱雑に収納

After:ケースを使った“立てる収納”

フライパンや鍋、調味料などが乱雑に入っていたコンロ下。段ボールを収納ケース代わりに使用していたため見た目もよくありませんでした。そこで、収納するモノは調理器具のみに絞り、専用ケースをプラスして“立てる収納”に。「段ボールでは、下に入ったフライパンを取り出すのにひと苦労ですが、ひとつずつ立てて収納すれば取り出しがスムーズですよ」と吉川先生。
関連アイテムは近くに収納すべし
吉川先生によると、上手な収納のコツは「使う場所の近くに収納すること」。たとえば、フライパンや鍋はコンロで使うため、コンロ下のスペースに収納、水切りザルやボウルはシンク下に収納、といった具合。作業導線がスムーズになります。
<使ったのはコレ!>
整理収納小物ケース Skitto スキット スリム
カインズ
¥ 398
散らかりやすい小物をスッキリ収納できるケース。収納に適した5サイズを展開、組み合わせは自由です。こちらはフライパンや蓋などの立て収納に便利なスリムなタイプ。ネームホルダーにもなるジョイントパーツ付き。
突っ張り棒2本で収納棚に

蓋や焼き網などは、コンロ下の収納スペースの上部を活用して置き場を確保。つっぱり棒を2本設置すれば、即席のラックが完成します。デッドスペースを賢く利用して。
調理スペース
Before:まな板が置けない...

After:調理スペースが誕生!

調理台の大半のスペースを占領していた水切りカゴは、つっぱり式のものにチェンジ。その分、調理台が広々使えるようになりました。ひとり暮らし用のミニキッチンの人にもオススメのアイテム。この劇的な変化に、佐藤さんも「水切りかごを移動させる場所がないので狭い調理スペースで料理していましたが、こんな手があったなんて!」と大喜び。
つっぱり式の水切りかごが賢い!

壁面を有効活用できるつっぱり式の水切りラック。これなら、調理スペースを占拠する心配なし! 洗った食器を置くだけでなく、調味料などを置ける棚付きなら、なお便利です。
<使ったのはコレ!>
燕三条で作るキッチンつっぱりラック
ベルメゾン
¥ 12,800
キッチンの吊戸棚の下やシンクの奥などの壁面を有効活用できるつっぱり式のラック。高品質な金属製品の産地として有名な新潟県燕三条製。基本セットはつっぱり本体、調味料などの小物が置けて位置も変えられるスパイスラックが2個、S字フックが3個。選べるオプションパーツも充実しているため、好きなようにカスタマイズして。※画像は基本セット(¥12,800)になります。
シンク下
Before:いろんなモノをやみくもに収納...

After:使用頻度に合わせてベスポジに収納!

吉川先生の手で生まれ変わったシンク下。Aftrerの第一印象はとにかくスッキリ! その秘密を探っていきましょう。
シンク下には食器類を収納

もともと使用していた伸縮タイプの収納ラックを活用。ただし、上・中・下の段に入れるモノを入れ替えました。下段にはタジン鍋や土鍋などの重いモノと、頻繁に使う食器やボウルなどを収納。毎日のように使うというボウルやサラダスピナーは、取り出しやすいよう手前に配置。中段には大きめのお皿など、上段にはマグカップやティーポットなどの軽めのモノを。よく使うお皿は収納ケースを利用し、“立てて”収納しました。
お皿は”立てて”収納

ここでも、フライパンの収納で使った小物ケース「スキット」を利用。お皿は重ねて収納すると下のものが取りにくいという難点がありますが、これなら目当てのモノをすぐ取り出せます。
吊り戸棚
Before:何が入っているか把握できていない

After:「グループ分け収納」でバッチリ把握!

吊り戸棚を活用できていなかった佐藤さん。吉川先生によると、収納のポイントはモノを「グループ分け」することだそう。上段にはワイヤーカゴ、下段には半透明のストッカーを置き、それぞれグループ化してモノを収納しました。なんと左の棚には余裕が生まれるという結果に!
ラベリングするのがポイント

半透明のストッカーを並べて、保存容器や水筒などをグループ別に収納。中身がわかるよう、持ち手にラベルを貼って。このひと手間で、モノを探す手間がなくなります。また、旦那さんなど、佐藤さん以外の人でも簡単に探し物が見つけられるように。
<使ったのはコレ!>
吊り戸棚ストッカー(HS-370)
ニトリ
¥ 476
中身が見えるので、欲しいものがすぐ分かるストッカー。手が届きにくい奥の物も簡単に取り出せます。しっかり持てる取っ手付きなので、高い吊り戸棚でもさっと取り出し可能。感動レベルの使いやすさ!
コンロ脇のデッドスペース
Before:棚を置くもサイズが合わず…

After:ぴったりのラックを設置

佐藤さんはきちんと採寸せずに棚を購入し設置していたため、無駄なスペースが生まれてしまっていました。今回はしっかりサイズを採寸し、ピタリと収まるラックを吟味。使用したのはサイズ展開が豊富な「ルミナスラック」。棚板が25mm間隔で調整可能なので、コンロの高さに合わせて設置しました。下段は空間を空けるために“ワイヤーバー”というパーツで補強を。ゴミ箱がスッキリ収まり、見た目も整いました。
キャスター付き&スリムなゴミ箱

スチールラックの棚上には炊飯器や調味料などを配置。下にはキャスター付きのスリムなゴミ箱を置きました。スリムな幅&スライド式の折れフタ付きなら場所を取らず、またキャスター付きなので、ラクに引き出すことが可能。佐藤さんは今までむき出しのビニール袋をゴミ箱として使っていたことで、生活感が丸出しでした。「これで見た目もスッキリ、おしゃれなイメージになりましたね」と吉川先生。
<使ったのはコレ!>
キャスター付きスライドフタのスリムゴミバコ
ベルメゾン
¥ 2,149
スライド式の折れフタだから、上部空間が一般的なフタの半分で設置可能。ラックやテーブルの下などにも置けて省スペースです。キャスター付きだから移動もラクラク。便利な袋留め付き。アイボリー、ブルー、ベージュ、オレンジ、グリーンの全5色。
調味料はケースにまとめて

収納棚のいろんな場所に置かれていた調味料は一箇所にまとめて。今回は汚れてもすぐ拭き取れる素材の小物ケースに入れました。これなら、ケースごと持ち運びも可能なので、掃除のときなども便利です。
<使ったのはコレ!>
食品類
Before:不揃いな容器や袋を積み重ね…

After:色を統一してステンレスワゴンに

佐藤さんが作るのにハマっているという醤油麹や塩麹、ぬか漬けなど。以前はサイズやデザインがバラバラの容器や保存袋に入れて、無造作に放置されていました。容器の色やデザイン、素材を統一することでスッキリ! 今回はホーローとガラス製のもの、色みは透明と白で揃え、シンプルなステンレスワゴンに収納。ワゴンはキャスター付きで移動もスムーズ、洗練された無駄のないデザインが魅力です。
<使ったのはコレ!>
3方柵付き3段ワゴン
藤本製作所
¥ 40,000
キャスター付きで移動がラクな3段ワゴン。業務用としても利用される丈夫で高品質なステンレス製。3段ともに高さ5cmほどの落下防止用の3方柵を加工しています。製品の仕上げは希望によって鏡のように反射する光沢板と反射を抑えたヘアライン板(HL板)の2種類からセレクト可能。
ぬか漬け美人L
野田琺瑯
¥ 5,400
ニオイがつきにくいホーロー製のぬか漬け容器。大きめサイズで乾燥ぬか2kgから作るぬか床が入るうえ、ゆったりとかき混ぜやすいのも魅力です。両取っ手付きで、冷蔵庫からの出し入れや持ち運びも安心。ぬか漬け以外の保存にも活躍してくれます。
ぬか漬け美人
野田琺瑯
¥ 3,780
ホーロー製のぬか漬け容器。乾燥ぬか1kgから作るぬか床用。低温保存で1年中安定したぬか床ができます。シンプルで美しいデザインにファンが多く、ぬか漬け以外にも食品の保存や収納に重宝。
ラウンドストッカー 18cm
野田琺瑯
¥ 4,860
野菜やお米の保存、漬物にも使えるホーロー製のシンプルな保存容器。蓋が平らなのでスタッキング可能です。また、蓋はトレイとしても使えます。
調理道具
Before:つっぱり棒がよく落下…

After:まな板は専用ラックに立てかけて

つっぱり棒にS字フックをかけ、そこにまな板を吊り下げていた佐藤さん。まな板が重いためにガッチャーンと落ちることもしばしば...。そこで、まな板はシンプルなデザインの専用ラックに立てることに。落ちる心配もなく、水切りもできて衛生的。
<使ったのはコレ!>
After:ツールは厳選してラックに立てて

まな板同様、つっぱり棒+S字フックに吊り下げていた調理ツール。ほとんど使わないモノも、「とりあえず吊るしておこう!」状態だったのを改善し、必要最低限のツールだけをスタンドに立て収納することにしました。佐藤さんの場合は菜箸とお玉、フライ返しの3点を。
<使ったのはコレ!>
After:ふきんは専用ハンガーに

ツールと一緒に吊り下げられていたふきんは、ふきんハンガーにかけることに。吊り戸棚に差込めるタイプのふきんハンガーなら、賃貸でも安心して設置可能。濡れたふきんも、畳んで置いておくよりも乾きやすく、衛生的です。
<使ったのはコレ!>
TOWER 戸棚下布巾ハンガー
エア・リゾーム インテリア
¥ 1,296
キッチンにある戸棚に差し込むだけのシンプル設計の布巾ハンガー。穴あけ・工具も不要です。シンプルなデザイン、丈夫で錆びにも強いスチール製が魅力。汚れがついたら、水洗いもOKです。
引き出しの中
Before:仕分けせずでモノがゴチャゴチャ

After:整理トレーを使ってアイテム別に収納

引き出しの中は細々したモノがどうしてもゴチャゴチャになりがち。佐藤さんも然り、シリコンカップや醤油入れなどのお弁当グッズが乱雑に入っていました。でも、整理トレーを使ってアイテム別に収納すれば、大量に捨てずともスッキリな印象に。取り出しもスムーズに!
<使ったのはコレ!>
整理トレーS(ブランS)
ニトリ
¥ 138
引き出し内の収納に最適な整理トレー。組み合わせ自在な7サイズを展開。サイズ違いのものを重ねて使用することも可能です。Sサイズのこちらは細々したものの収納にオススメです。
使いやすいキッチンに大変身!
Before:モノがゴチャゴチャの汚キッチン

After:スッキリ整理された美キッチン

とにかくモノがゴチャゴチャ雑然と置かれていた佐藤さんのキッチン。使いかけの調味料やビニール袋などが無造作に置かれ、窓際にはまな板などのアイテムがたくさん吊り下げられていました。また、雑貨や収納グッズなどの色みもバラバラで、見た目もイマイチ。そんなキッチンでしたが、吉川先生の手によって、劇的変化を遂げました。モノがスッキリ整理され、色みもまとまりがあるため、見た目にも美しい空間に。調理台やワゴン上など、作業スペースも生まれ、格段に使いやすくなりました。
モノの量は変わらずもスッキリ収まった!

収納棚の扉を開き、片付け後のキッチンを全部見せ! Beforeからモノの量はほとんど変わっていないのに、収納スペースにきちんと収まっています。むしろ、余裕が生まれるほどスッキリ! どこに何が入っているかが一目瞭然です。
使いやすいキッチンで日々が楽しく

今回、劇的Before→Afterを果たした佐藤さんのキッチン。「料理しやすさ」を実現させるため、家具の配置変えも行いました。壁付けして置いていた天板付き棚はシンクの前に移動させ、カウンターキッチンとして使用。すぐ手の届く位置に必要なものがある状態を作ることができました。モノの定位置を全て決めたことで、出しっぱなしが解消し、スッキリと片づいた印象になりました。
美キッチンなら人が招ける♡

「これで毎日の料理が楽しくなりそう♡ 友達を呼んでホームパーティも開催したいです!」と笑みが溢れる佐藤さん。今回もまた吉川先生の手によって、「片づけられない女」を救済できました。紹介した収納テクやオススメ収納グッズ、みなさんもぜひ取り入れてみてくださいね!
人気の劇的Before→Afterシリーズ、「押入れ編」もチェック!
撮影/木谷基一(LIGHT-UP!) 取材/濱田恵理