(2)子宮筋腫
子宮筋層(子宮の中にある筋肉でできている層)にできる良性の腫瘍で、30~40歳代の女性に多く見られます。女性ホルモンの1つであるエストロゲンが関与しており、女性ホルモンの分泌が盛んな年代の20~30%に見られるとされています。
症状は下腹部痛、腹痛、吐き気、頭痛、疲れやすいなどの生理痛(月経困難症)、腰痛、頻尿(トイレが近い)などです。徐々に経血量が多くなっていき、生理期間も長くなることがあります。
(3)子宮腺筋症
子宮筋腫と同じような症状で、30歳代後半~40歳代の出産経験のある女性に多く、出産回数が多くなることはリスクとなります。また、子宮内膜の操作を伴う子宮手術をしたことがある女性に多いと考えられています。
この場合、生理を重ねるごとに経血量が増え、月経痛も激しくなり、生理期間の延長や過多月経が見られます。
(4)無排卵周期症
生理のような出血はあるものの、排卵していない状態です。生理があれば必ず排卵があるとは限りません。
排卵がないまま子宮内膜がはがれる無排卵周期症では生理周期が不順なことが多く、生理期間が長くなることがあります(短くなることもあります)。排卵が起こらないため、不妊の原因にもなります。
生理期間が平均より短い場合
生理期間が1~2日で終わってしまう場合を、医学的に過短月経とよびます。ストレスなどが原因でホルモンバランスが乱れることによって排卵が起こらないこともあります。
生理期間が短いと判断する基準
生理が始まってから終わるまでの期間が2日以内だと「短い」と判断されます。閉経間近であれば日数が短くなるのは自然ですが、20~30歳代前半の場合は、原因として子宮の発達が未熟なことが考えられます。ただし、多くは臨床的に問題にはなりません。
生理の期間が短くなる理由
ストレスなどにより女性ホルモンのバランスが乱れることで排卵がなくなったり、経血量が少なくなったりすることがありますが、多くは子宮が未発達なことが原因です。
(1)子宮発育不全
子宮が未発達なケースでは、子宮が小さいために子宮内が狭くなり、はがれ落ちる内膜が少ないことから生理期間が短くなると考えられます。
(2)子宮内膜癒着
人工妊娠中絶や流産などの手術で子宮内膜に傷がついた場合や、癒着のため内膜が増殖する範囲が狭くなっている場合に生理の期間が短くなることもあります。ただし、このようなケースは滅多にありません。
また、無排卵周期症でも生理期間が短くなることがあります(前出の無排卵周期症を参照)。
生理期間の乱れを放置するとどうなる?
生理期間には個人差があるので、排卵周期がきちんとしていれば心配はいりません。排卵は基礎体温を測り、低温相(低温期)と高温相(高温期)の2相に分かれていることで確認できます。
生理期間が長い状態あるいは短い状態が続く場合は、放っておくと不妊となる可能性もあります。