生理期間が長かったり短くなったりすると心配になりますよね。そもそも、平均的な生理期間とはどれくらいなのでしょうか? また、生理期間が不順になる理由とは? 産婦人科医の窪麻由美先生に詳しく伺ってみました。
20歳代になると女性ホルモンの分泌はピークに達し、生理(月経)の周期が安定し排卵もコンスタントに起こるようになります。
不規則な生活やストレスの影響により女性ホルモンのバランスが乱れたり、何かの病気が隠れていたりすることによって、生理期間が長くなったり短くなったりすることがあります。
ここでは一般的な生理期間について説明するとともに、生理期間が長い場合や短い場合に考えられる原因や対処方法について説明します。
生理の平均期間はどれくらい?
生理の傾向(周期、期間、経血量)は18〜20歳ころに定まり、20~30歳代は女性ホルモンの分泌が活発になります。一般的に生理周期は25~38日、生理期間は3~7日、経血量は20~140mLとされていますが、人によって大きなバラつきがあります。
・生理周期:25~38日
・生理期間:3~7日
・経血量:20~140mL(平均40mL程度)
平均的な生理周期
生理周期が25~38日の間で、周期ごとの変動が6日以内であれば正常といえます。生理周期が24日以内と短かったり(頻発月経)、逆に39日~3カ月まであいたり(希発月経)、3カ月以上あいたりすると(続発性無月経)、周期の異常となります。
ホルモンの異常やさまざまな病気により、生理の時以外に性器から出血することを不正出血といいますが、生理周期が短い頻発月経と勘違いすることがあるので注意が必要です。
平均的な生理期間・経血量
生理期間は3~7日が正常で、平均は5日です。医学的には、生理期間が2日以内の場合を過短月経、8日以上持続する場合を過長月経といいます。
経血量は個人差があり他の人と比較できませんが、一般的には20~140mL(平均37~43mL)を正常範囲内とし、20mL以下の場合を過少月経、140mL以上の場合を過多月経といいます。
過短月経のほとんどが過少月経と同時に起こり、ナプキンの交換がほとんど必要ないほど経血量が少なく短期間です。
過長月経は過多月経と同時に起こることが多く、ナプキンが1時間ももたないような状態が何日も続くことがあります。
【生理(月経)期間・量の異常】
生理期間が平均より長い場合
生理期間が8日以上続く場合は、医学的には過長月経といいます。
生理をコントロールしている女性ホルモンは、脳の視床下部が下垂体に女性ホルモン分泌のゴーサインを出し、下垂体から卵巣に女性ホルモンを出すように命令することで分泌されます。
女性ホルモンのバランスを司っている視床下部は自律神経系や免疫系の司令塔でもあることから、女性ホルモンの分泌はストレスの影響を受けやすいという特徴があり、そのため一時的に生理期間が長くなるケースがあります。また、子宮筋腫などの病気により長くなるケースがあります。
生理期間が長いと判断する基準
出血期間が8日以上あると「長い」と判断されます。出血期間が長くなり、月の半分くらいが生理中のような感じになることもあります。経血量も多くなり貧血を起こしやすくなるため注意が必要です。
生理期間が長くなる理由
女性ホルモンのバランスの乱れが原因となる場合や、子宮の病気が原因となる場合があります。
(1)女性ホルモンの乱れ
不規則な生活、ストレス、激しいダイエットなどでホルモンバランスが崩れると過長月経・過多月経を起こすことがあります。ただし、このような生理が2~3回続いて正常に戻るときはストレス性と考えられる場合が少なくありません。