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城田優「この顔と身長は映像の世界では否定されることが多かった」と告白

スランプに陥った映画監督・グイドと、彼を取り巻く女たちを描いたミュージカル『NINE』。ブロードウェイの舞台ではアントニオ・バンデラスが、映画版ではダニエル・デイ=ルイスが演じてきた伊達男を、城田優さんが演じる。

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「グイドは大人の魅力だだ漏れの男。いままでのキャリアのなかで、あまり演じていない役なんですよね。カッコいいけれど女性にだらしないとか、それでも多くの女性を虜にしてしまう余裕とか、僕からはかけ離れた人だし、まだ34歳の僕が演じるには時期尚早感もある。でも、城田優として確実に階段を1段上れる挑戦になる気はしています」

妻がいながら多くの女性たちと浮名を流す。それでも憎めないのは、グイドがどこか少年のようなピュアさを持ち続ける魅力的な人物ゆえ。

「誰がやっても難しい役だとは思うんです。ただ、自分のなかにあるモノづくりに対する真剣さみたいな部分は使えそうな気はするんです」

このグイドに向かううえで、役との共通点を感じたのは、城田さんのミュージカルへの想いを伺ったとき。

「僕がミュージカル俳優として認識され始めたのはここ数年ですが、20代半ばには自分の持っているものを活かせる場所…ここならオンリーワンになれるかもと自覚的に舞台に取り組んでいました。だから、相当な覚悟と強い思いを持って舞台に臨んでいるという自負はあります」

日本人の父親とスペイン人の母親とのミックスというルーツを持つが、「もともとは映像のお芝居と歌をやりたくて芸能の世界に入ってきたんです。でも、この顔と身長は映像の世界では否定されることが多かった」。しかし、「ミュージカルの世界ではそれが武器になった」という。

「当時は映像とミュージカルをどっちもやっている同世代の俳優がほぼいなくて、これを自分の唯一無二にしようとやり続けてきたつもり」

それが今回のグイドを演じるうえでも活かされるに違いない。2016年にはミュージカル作品で演出家としてもデビュー。『ファントム』で演出を受けた女優・木下晴香さん曰く、城田さんは歌を綺麗に歌うことよりも、セリフを喋るように歌うことを重視していたそう。

「ミュージカルを毛嫌いしている方っていますけど、なんでだろうと考えたときに、僕はリアリティのなさなんじゃないかな、と。喋っていた人が唐突に歌いだしたように見えるから違和感を覚える。芝居と歌をつなげることで境界線が消えて自然に作品に入り込めるんじゃないかと取り組み続けてきたら、いろんな作品で評価をいただけるようになりました。あくまでこれは僕の持論ですが、ミュージカルは歌うんじゃなく演じるもの。感情が募って、それが吐露されるときに音楽になって歌につながっていく。歌が多少ブレても、心がちゃんとあれば観ている人の胸に刺さるはずなんです。これ、『NINE』を観ていただければわかると思いますよ(笑)」

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『NINE』 新作映画の制作を目前に控えた映画監督・グイド(城田)はスランプに陥っていた。そんななか妻(咲妃)から離婚を切り出され、現状打開のため彼女を伴いベネチアへ。しかしマスコミに嗅ぎつけられた彼は――。11月12日(木)~29日(日)東京・TBS赤坂ACTシアター 12月5日(土)~13日(日)大阪・梅田芸術劇場メインホール 脚本/アーサー・コピット 作詞・作曲/モーリー・イェストン 演出/藤田俊太郎 出演/城田優、咲妃みゆ、すみれ、土井ケイト、屋比久知奈、エリアンナ、原田薫、春野寿美礼、前田美波里、DAZZLEほか S席1万3500円、A席9000円ほか(すべて税込み) 梅田芸術劇場 東京 TEL:0570・077・039 大阪 TEL:06・6377・3800(10:00~18:00)https://www.umegei.com/nine2020/

https://www.umegei.com/nine2020/

しろた・ゆう 1985年12月26日生まれ。東京都出身。今年5月にはGLAYのTERU&HISASHIとコラボした楽曲「それでも」を発表。YouTubeにて配信中。12月2日にJ‐POPカバーアルバム『Mariage』をリリース。12月11日公開予定の映画『新解釈・三國志』に呂布役で出演。

ニットジャケット¥76,000 カットソー¥104,000 パンツ¥50,000 シューズ¥70,000(以上ヨウジヤマモト/ヨウジヤマモト プレスルーム TEL:03・5463・1500)

※『anan』2020年11月18日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・及川泰亮 ヘア&メイク・矢崎麻衣 インタビュー、文・望月リサ

(by anan編集部)

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