美容・健康に関する資格を8個保有するライター&コラムニストharakoが、日々の生活で気軽に取り入れることができる美容情報をご紹介する連載です。第19回目は、スキンケアアドバイザーの視点から、冬のデオドランドケアについて考えます。
汗をたくさんかく季節じゃないのに、臭う……!?
【ちょこっと美容マメ知識】vol. 19
寒さが本格化してきたこの時期。夏みたいに汗をたくさんかくわけではないのに、冬のほうが臭いが気になる……という経験はありませんか? ニットを着た時の脇など、じんわり自分だけ感じる “アノ臭い” です。
冬は、人との集まりやイベントごとも多く、室内で和気あいあい行事も盛りだくさん。突然のお座敷対応や上着を脱いだ時にドキッ! としないように、事前に臭いケアの対策を仕込んでおきましょう。
汗は汗でも、出る場所が違う
“アノ臭い” に深く関係しているのは、ズバリ「汗腺」と呼ばれる汗が出る場所にあります。皮膚の表面をじっくり見てもわかりませんが、実は2種類の「汗腺」が存在しており、ひと口に “汗” と言っても出る場所が違うのです。そして、出てくる汗の種類も違います。
夏のほうがたくさん汗をかくのにサラサラで、臭いがそこまで気にならないのはなぜでしょうか? それは、「エクリン腺」から出るためです。一般的に “汗をかく” と言うのは、このエクリン腺から出ている状態。運動やスポーツをした後に体温のバランスをとったり(温熱性発汗)、熱いものや辛いものを食べた時に汗をかく(味覚性発汗)のは、エクリン腺が関係しています。
このエクリン腺は生まれた時から存在し、皮膚の薄いパーツ(唇やまぶた)などをのぞいて体全体に備わっており、出てくる汗の成分は99%が水分。1%はナトリウムや尿素などですが、ほとんどが水分と考えて良いでしょう。長時間かきますが蒸発もしやすいため、タオルで拭き取ったら臭いはさほど気にならないのです。
Point☆ちょこっと美容マメ知識
サラサラ汗は、エクリン腺が出していた!
冬のじんわり汗はいったい……?
いっぽう “じっとり汗” は、生まれつき存在する汗腺ではなく、思春期になると体の一部に出てくる「アポクリン腺」から出ています。エクリン腺とは異なり、あるのは “一部”。
主には、ワキ・肛門・陰部などに集中しており、サラサラとたくさん出るわけではなく、少量でじんわりと出るため臭いを作ります。成分が99%水分のエクリン腺から出る汗に比べて、アポクリン腺はタンパク質が多め。冬のコートで厚着をしたり、暖房の部屋で過ごしたりすることで、アポクリン腺から出た汗は空気に触れて酸化します。そこで、“アノ臭い” が作り出されてしまうのです。
先ほど触れたように、体温のバランスを整えるための汗(温熱性発汗)や熱いものや辛いものを食べた時に出る汗(味覚性発汗)はエクリン腺から出るのに対して、このアポクリン腺は人前に出たりストレスから出たりする汗(精神性発汗)で、メンタル面と関係しています。よく緊張すると、脇汗がでますよね(笑)。
臭いやフェロモンを作るとも言われている汗腺で、蒸発性が低くべったりと残りやすいのも特徴のひとつです。特に冬は、激しい運動やサウナなどに入らない限り、気温が低いため体温調節を整えるために汗をかくことが減ります。なので、夏のようなサラサラ汗が目立たない反面、臭いが残る汗が気になってしまうのです。
Point☆ちょこっと美容マメ知識
“アノ臭い” は、アポクリン腺に含まれるタンパク質が原因だった!
良い香りで隠すのは、逆効果!
“アノ臭い” の原因が、アポクリン腺から出る汗だとわかったところで、どんな対策をとったら良いのでしょうか。臭いを気にするあまり、香りの強いもので誤魔化すのは逆効果です。臭いを感じた時の対策方法は、まず先に「拭き取り」をすること。
アポクリン腺から出た汗は、サラサラのテクスチャーではなく、白くにごって皮膚にくっついているため、お湯や水をしみこませたコットンなどでワキを拭き取りましょう。それから、臭い対策のデオドランドアイテムを重ねてみてください。体臭の原因物質を作る皮膚常在菌が増えるのを抑えてくれる、銀イオンがオススメですよ!
Point☆ちょこっと美容マメ知識
臭い隠しより、まずは拭き取ってリセットが大切。
ポイントは、「2つの汗腺」と「出る汗」の違いです。冬のじんわり汗の特徴をつかんで、臭い対策をしてみてくださいね!
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