ショコラティエだけでなく、パティシエにとっても、チョコレートはかけがえのない素材。今回はそんな注目のパティスリーのチョコをご紹介。
『ロミ・ユニ』『シャンドワゾー』『アテスウェイ』…。いつ訪れても客足が途絶えない店から、相次いでチョコレート専門店が誕生している。その理由を、『アテスウェイ』の川村英樹さんは、「今まではバレンタインシーズンのみボンボンを作っていたのですが、使える素材が冬のものに限られてしまう。一年を通して多様な素材で作りたかった」と語る。
アイデアがあっても、時期やスペースが限られて、これまでできなかったことを、新たな場で思う存分、形にしているのだ。面白くないはずがない。しかも、ショコラティエとはまた違う柔軟な発想で、チョコレートに向き合う。伝統的なフランス菓子をボンボンに仕立ててみたり、ハイカカオブームもなんのその、あえてミルクチョコのおいしさを追求したり……。かと思えば、カカオ豆からチョコレートを作ってケーキにする職人魂炸裂のシェフもいて、まさに十人十色!
注目のお店をご紹介します。
ショコラテ ロミ・ユニ
『ロミ・ユニ コンフィチュール』を構えて14 年。いがらしろみさんが「ジャム屋さんをやる前からの念願だった」チョコレート菓子の店を、2017年10月に開店。秋と冬だけ開くこの店は、鎌倉の住宅街にひっそりと佇むガラス張りのアトリエを設えた一軒家。ミルクチョコが大好きだというろみさんは、ここで庭を眺めながら、おやつにひとつ、ふたつと手を伸ばしたくなる、温かみのあるチョコレート菓子を作っている。
神奈川県鎌倉市西御門2-1-14 TEL:0467・38・7071 10:00~16:00 月・火曜休(祝日の場合は営業。3 月中旬まで) ボンボン6種、ほか、土・日・祝日のみ、チョコ・チョコ・チョコシュー¥390を販売。
福岡在住の陶芸家で図案家の鹿児島睦さんがデザインした、花モチーフのチョコレート、デイジー&ヴィオラ ショコラ¥600。デイジーは生クリームをたっぷり使ったクリーミーなホワイトチョコ、ヴィオラはホワイトチョコに甘酸っぱいイチゴを混ぜた、やさしいイチゴミルク味にほっこり。
※冒頭の写真もショコラテ ロミ・ユニ。
シャンドワゾー グラシエ ショコラティエ
パティスリーの程近くに、チョコレートとアイスクリームの専門店を開いた村山太一さん。チョコレートの修業を積んだベルギーの「観光地にあるような庶民的なショコラトリーにしたい」と、おなじみの美しいボンボンに加え、タブレットやアマンドショコラなどの量り売りを始めた。どれも、食べやすさを考えて、カカオ分もあえて60%台までに。それでいて、シェフが作るケーキ同様、素材の味がキリッと立ったおいしさ。
写真上・ロッシェ、アマンドショコラ、マンディアンなど、ナッツやドライフルーツが入ったチョコは100g¥840。写真下・ボンボンは15~20種で1個¥204~。パティシエならではの、オペラ、サヴァランなどケーキの味を表現したものも。バレンタイン期間はセット販売。
埼玉県川口市栄町2-2-21 TEL:048・299・2189 10:00~19:00 不定休 イートインスペースがあり、量り売りのチョコとコーヒーのセットも。パティスリーで買ったケーキを食べることもできる。
※『anan』2018年1月17日号より。写真・芹澤信次 取材、文・齋藤優子