第一線で活躍するプロカメラマンにスマホの撮影テクを教わっちゃおうというこの企画、今回のテーマは “空”! 小さなスマホでもドラマチックな空写真が撮れるという驚きのコツを聞いてきました。
写真:佐藤朗、写真・文:田代わこ
【カメラマンが教える! いいね! がつくスマホの撮影テク】vol. 29
まずは基本の青空から!
今回もプロカメラマン、佐藤朗先生に撮影テクをお聞きしました。まずは基本の青空から。本連載ではすでに何度かご紹介しましたが、空を青く撮りたい場合は順光、つまり太陽を背にして撮影するのがベスト。逆光では空が白っぽく写ってしまいます。
左の写真は順光、右の写真は逆光で撮影。同じ日の同じ時間帯に撮影した空でも、光の向きによって全然色が違います。さらに空をしっかり青くしたい場合は、撮影時に露出補正をマイナスにするとよいそうです。
また、空をメインにした写真を撮るときのポイントは空の面積を多めに撮影すること。といっても、雲ひとつない青空だけを撮ってしまうと、青い紙が写っているだけのようにも見えてしまいますよね。そんなときは、少しでも空の高さが伝えられるよう比較になる被写体を一緒に写すとよいそうです。
左の写真は空だけ。右には観覧車を入れてみました。
雲の撮り方は?
次は、雲の撮り方について。季節感を伝えることもできるので、雲は人気のある被写体のひとつです。
上の写真は佐藤先生が撮影。夏の雰囲気を感じられて、明るい気分になれる写真です。
また、雲の形そのものが特徴的な場合は、空だけ写してもおもしろいそうです。
こちらも佐藤先生が撮影。何かが迫りくるような、ちょっとゾクッとする写真です。こんなふうに気候条件によってさまざまな表現ができるので、雲の多い日は空を見上げてシャッターチャンスを狙うといいかもしれません。
ドラマチックな空写真を撮るコツ3つ
それでは、いよいよドラマチックな空写真の撮影テクをご紹介。3つのコツを教わりましたので、ひとつずつピックアップしていきます。
露出をグッと下げてみる
まずは、撮影時のコツ。通常より極端に露出を下げてみると、まるで白夜のような写真が撮れるとのこと。以下は佐藤先生の写真です。
こちらは標準露出。
同じ空でも露出をグッと下げると白夜のようなドラマチック写真になるそうです。コツは昼間の明るい空を撮ること。同じ青空でも、夕方近くに写すと単に暗い写真になってしまうこともあるようです。また、インスタグラムで編集する場合には、「暖かさ」を下げて青っぽくして「明るさ」は暗めに、さらに「ハイライト」を下げるとよいとのこと。ぜひお試しください。
ストラクチャを上げてみる
続いてはレタッチ(画像の編集加工作業)のコツ。例えば雲の写真を加工する場合、インスタグラムの編集画面で「ストラクチャ」を上げると雲のディテールが強調された写真になるそうです。
佐藤先生の写真です。雲の形や光の筋などがとても美しく、CDジャケットなどに使われていそうな本格写真です。スマホ撮影とは思えません!
こちらも佐藤先生が撮影。観覧車も、雲と組み合わせるとドラマチックに見えますね!
夕焼け、朝焼けの時間帯を狙ってみる
さらにドラマチックな空写真を撮りたい場合、夕焼けや朝焼けの時間帯を狙うとよいそうです。グラデーションになった空の色はきれいですよね。誰が見ても美しいと思える景色は、被写体としても最適とのこと。以下、佐藤先生が撮ったドラマチックな写真とともに撮影のポイントをご紹介します。
夕焼けや朝焼けを撮る場合、太陽があるあたりの色がきれいになるため、逆光にして露出を暗めにすると色が飛ばずにすむそうです。
また、ビルなどの被写体がある場合、空の面積を多めにするとより感動が伝わる写真になるとのこと。上の写真は佐藤先生が高速道路のサービスエリアで撮られたもの。スマホでもこんなにドラマチックに撮れるんですね!
このような夕景は、写真編集のときに「彩度」を大幅に上げると、ドラマチックな感じがより演出できるそうです。