名だたる面々が本人役で出演して話題を呼んだドラマ『バイプレイヤーズ』。熟練した俳優たちの軽妙なやり取りやテレビ東京らしいユルさが熱狂的な人気を呼び、1年前の放送直後から、続編を望む声が殺到。ついに『バイプレ』が『バイプレイヤーズ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~』として帰ってきます。
――前作の反響はいかがでした?
遠藤憲一:業界の人から「面白かった」と言われることが多かったですね。スタッフさんが、自分が関わってない作品について言ってくることは珍しいんですよ。
田口トモロヲ:若手の俳優たちからも「いいドラマですね」と言われました。もし僕が若い頃に、こんな強面のバイプレイヤーズたちのドラマがあったら、失禁するくらいしびれてましたね(笑)。
松重豊:バイプレイヤーが集まったドラマが迷える役者たちの目標になるのならありがたい。
大杉漣:僕は、ここでは年長さん。60過ぎてもフワーッと生きていること、そんな役者としての生き方もあるんだってことをわかっていただけたとしたら嬉しいかな。リーダーとは名ばかりのオールドキッズですから。
松重:おじさんたちがただ、わちゃわちゃしてるのがいいんです。
遠藤:大杉さん、情報解禁前に「またやる」ってスタッフに話しましたよね? 僕が「次回作もあるんですか」と聞かれて「まだわからない」って答えたら、「大杉さんは『やる』と言ってましたけど」って。
大杉:あれだけ「ここだけの話ね」って口止めしたのになあ(笑)。それだけ皆さんに期待されてた証ってことで許して!
――(笑)。続編が作られることになったいきさつは?
大杉:僕が前作の打ち上げで、「同じキャスト、スタッフでやりたい」と話しまして。
田口:涙ながらに。
大杉:コラコラ、トモロヲ君! 泣いてなんかいないよ。
松重:泣いてましたよ。大杉さんが涙を流すなら頑張ろうという気持ちになったんですから。
大杉:松ちゃん、ありがと。それで、前作で感じたことや次回作について、キタンなく話そうということで、監督兼プロデューサーと個人面談をしました。
松重:僕は、「感動させようとか、事件を起こそうとか、何かしようとしないでください」とお願いしたんです。無理にフィクションを入れると月並みにしかならないので。
田口:虚と実をもっとないまぜにして、おじさんの加齢臭みたいなものが作品全体に漂ったほうが、我々がやる面白みが出るってことですよね。
遠藤:(前作のロケ地だった)館山は遠すぎる、とかも言った(笑)。
田口:制作側としては、「こいつらいろいろ言ってくるから、島流しにしちゃえ」ってことで、今回は無人島の設定になったのかと(笑)。
光石研:僕、個人面談で何話したか覚えてないなあ。
大杉:研ちゃんは確か「ロケは、ひとり4500円以下の居酒屋のある場所で!」だったと思うけど(笑)。
――前作で、飲み会のお会計が高いと光石さんが物申した件ですね。
光石:あのエピソードをバラエティ番組で話したんですよ。そしたら同級生から電話かかってきて「研、ごめん。今度の同窓会の会費1万円なんだけど大丈夫か?」って(笑)。僕だって1万円、出せますから!
遠藤:でもまた、初日に行った店がひとり8000円でね。
田口:青山真治組や『アウトレイジ』の時の怖い光石さんが出た(笑)。
光石:あれは、最初のシーザーサラダはインスタ映えするような大盛りだったのに、右肩下がりに皿が小さくなっていったからで…。
――相変わらず、抜群のチーム力!
大杉:遠ちゃんが、スマホデビューしたんで、“バイプレルーム”を作ってLINEしてるんですよ。もう、メッセージがくるわくるわ。
光石:「おはよう。今日もいい時間にしたいね。よろしく」。
遠藤:「こちらこそよろしくね」。