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なんかドキドキ…新生活の不安な心が前向きになれるお話

大人になると子どもの見本になるような存在でいなければいけないと思いがちですが、実際は大人でも子どもたちから学ぶことは多いもの。そこで、今回は自らの力で道を切り開こうとする子どもたちを描いた映画をご紹介します。それは……。

カルチャー

この春の話題作『ワンダーストラック』!

【映画、ときどき私】 vol. 152

1977年、ミネソタ。母親を交通事故で亡くし、伯母の家で暮らすこととなった少年ベン。父親とは一度も会ったことはなく、しかも母は名前すら教えてくれなかった。ところがある夜、母の遺品から父親の手がかりとなるものを発見。落雷事故によってベンは耳が聞こえなくなってしまうものの、父を探すためにひとりでニューヨークへと向かうことに。

1927年、ニュージャージー。生まれつき耳の聞こえない少女ローズ。母親はおらず、厳しい父親によって育てられていた。そしてある日、ローズは心の支えでもある憧れの女優リリアンがニューヨークの舞台に出演すると知り、ひとりでニューヨークへと旅立つのだった。新たな一歩を踏み出したベンとローズを結ぶ謎の絆とは……?

そこで今回は本作の監督を務め、「新境地にして最高傑作」といわれるほどの注目を集めているこちらの方にお話を聞いてきました。それは……。

ハリウッドの名匠トッド・ヘインズ監督!

『アイム・ノット・ゼア』や『キャロル』など、これまでも国際的に高い評価を得ているヘインズ監督。約20年ぶりとなる来日で、この作品の撮影秘話や自らの思いを語ってもらいました。

監督にとっては初めて子どもを主人公に迎えた作品となりましたが、意識したことは?

監督 そもそも本作の原作者であり脚本も手掛けたブライアン・セルズニックが、若くて幼い子どもたちのマインドを心からリスペクトしているんだ。つまり子どもたちがどんなに大きな挑戦でも、大人から見ても怖いような状況でも向き合って前に進んでいく、そうやって自分の人生を歩んでいくことができるという彼らの力をきちんと描いているんだよね。

2人の子どもが聴覚を失ったなかでもそれぞれの人生を突き進んでいくんだけど、それだけではなくて、50年という時を隔てた形で物語が展開していくというコンセプトもすごく美しいなと惹かれたところなんだ。それに、この物語を描くためには、セリフ以外の”言語”をたくさん持ち合わせている映画というメディアが必要なんじゃないかというふうにも感じたからなんだよ。

本作ではニューヨークが舞台の中心となりましたが、監督自身にも思い出があれば教えてください。

監督 僕が初めてニューヨークに行ったのは9歳のときで、祖父母と一緒だったんだ。ロス育ちだった自分にとって、当時の大都市といえばニューヨークやサンフランシスコだったから、とにかくスリリングでワクワクしていたよ。ビジネスマンやいろいろな人が足早にぶつかったりして、すべてがものすごいスピードで動いているなという印象を受けたね。

あとは、やっぱりタクシーかな。乱暴な運転と何百万人が座ったんだろうというレザーの匂いとかね(笑)。でも、本当に生命力や人、アクションにあふれている街だと感じたよ。

では、そういうところも作品には反映させていましたか?

監督 そうだね。もちろん反映しているけれど、自分が子どものときに体験したニューヨークと今回のベンとでは体験の仕方にずいぶん違いがあるよね。というのも、ベンにはちゃんとミッションがあって、ものすごい覚悟と強さを持って突き進んでいるからなんだ。

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