7.【グラス】小澄正雄
「西荻窪にあるお気に入りの器店『魯山』さんでひと目惚れしたこのグラスは、なんともいえない存在感を放っています。アンティークグラスかな?と思うくらい手づくり感が残っていて、手にとると温かみを感じるんです。
ガラス作家の小澄正雄さんが、型吹き硝子という技法で一つひとつ丁寧につくっています。溶けた硝子を吹き竿に取り付け型に吹き込んで成形するので、生まれるラインが繊細で美しいんです。底の部分が分厚く、ざらりとした鉄の粉が透けて見えるところがお気に入り。このグラスにいれてお水やビールをいただくと、不思議なことにいつもよりおいしく感じるんですよ」
素敵な食器は旅先で。
旅先で食器を買う。それ自体はめずらしいことではありませんが、cayocoさんの場合、30ℓのリュックがパンパンにふくれ上がるほど食器と食材を買ってしまうんだとか。重さを考えるだけで肩が痛くなってしまいそうな話ですが、旅好きなcayocoさんにとって、それは欠かせない楽しみだと言います。
「旅先で買った食材や食器を使って、我が家へ来てくださった方に料理をふるまうということをよくやるんです。みんなで食べるだけでも素敵な時間にはなりますが、その時目の前にある食材や器とどう出会ったのか、それがどういう由来のものなのか、お話しながら食事をすると、とっても盛り上げるんですよ。背景にあるストーリーがわかると、たとえばふつうのカレーライスだって、格別においしく感じられるんです」
さらに、ほかにもこんないいことがあるとcayocoさん。
「現地の友達と思い出を共有できます。買った食器を食事につかってInstagramにアップすれば、『あの時のあのお皿!』って気づいてもらえますし、それがきっかけでやりとりが盛り上がれば、また会おうという機会が生まれるきっかけにもなります」
料理家であり、旅を楽しむ達人でもあるcayocoさんが教えてくれた、旅と食器の素敵な関係。食べることも旅も好きだという人なら、これをマネしない手はなさそうですね。
取材/板井海奈(macaroni編集部)文・構成・写真/植松富志男(macaroni編集部)