熱帯夜が続きますが、みなさんよく眠れていますか? 夏に入ってからしばらく経つので、工夫はされているとは思いますが、暑くて寝苦しくて寝不足状態が続いている方は少なくないのでは?
そこで今回は、睡眠や自律神経の改善指導を行う、ナイトケアアドバイザーの小林麻利子が暑くて寝苦しい夜の対策をご紹介します。
文・小林麻利子
【小林麻利子の美人の作り方】vol. 135
1.エアコンは一晩つけっぱなし
エアコンは一晩中つけっぱなしにしましょう、とさまざまなメディアで紹介されているので、常識になりつつあると思われますが、それでもエアコンのつけっぱなしは体がだるくなるから…と途中でオフタイマーセットをされている方もいらっしゃることでしょう。
まず体がだるくなるのは、以下の3つが原因であると考えられます。
その1. 風向きが自動モードなどになっており、気づかず直接風が当たっている
その2. 何度も起きたり寝たりを繰り返して眠りがそもそも浅い
その3. 適温になっていても湿度が高いせいで、よく眠れず睡眠中に覚醒が増えている
気づかないほどの気流でも、冷気であれば眠りは浅くなることがわかっていますし、体表面が冷やされば体の熱が外に逃げずに寝苦しく感じます。タイマーのオンオフセットをしても、途中で暑くなったり寒くなったりで起きしまうこともあります。また後の3でも紹介しますが、高湿度は覚醒が増えることがわかっています。
エアコンをつけるから体がだるくなるのではなく、つけ方を間違っているからだるくなるのです。ということで今日からエアコンの風が当たらないようにつけっぱなしにしましょう。
2.温度計で26度をキープ
26度が快適におやすみすることができる温度と言われていますが、リモコンの温度設定を26度にしても実際は28度とか29度とか、設定温度になっていないことが多いです。
自分の感覚に任せず、きちんと温度計で気温を測って、快適な温度をキープできるようにしましょう。また直接風が当たらないように、風向きは一定にし、風量は自動にしましょう。
3.湿度計で50%台をキープ
1でもご紹介しましたが、適温でも湿度が高すぎると眠りを妨げてしまいます。例えば、湿度75%なら中途覚醒が1.3倍に増えるという報告も。
また、美肌のためと夏も加湿器を使っている方がたまにおられますが、今の季節は普通でも高湿度なので、必ず除湿機やエアコンのドライ機能を使いましょう。温度と同様に湿度がどれくらいか感覚ではわかりにくいので湿度計を用意し、50%台はキープできるようにしましょう。
4.湯船に浸かると熱がこもらない
暑いとシャワーで済ましがちですが、体の内側の体温(深部体温)が一時的にあがるまで湯船に入ったほうが、入浴後の放熱が促進されよく眠れるようになります。目安は40度15分。
シャワーや39度以下のお風呂や短時間入浴ではしっかり深部体温が上がらないので、効率的ではありません。気分的に浸かるのはちょっと……という方は、メントール系の入浴剤をいれると清々しく浸かることができます。熱のこもりを防いでくれるので、夏はお風呂に入ったほうがいいのです。
5.就寝1時間前にあがる
しっかり体温が上がったら、就寝1時間前にはお風呂からあがるようにします。体温の下がりはじめに入眠すると、睡眠の持続時間が長くなることがわかっています。しかし、お子さんと早く入浴していたり、夕食前の入浴などでお風呂と就寝が空きすぎていると、その条件に当てはまりません。
時間があいてしまう方は、寝る前にもチャプンと湯船に浸かったり、シャワーで手足を温かくするのも手。再度放熱が進み、ぐっと眠りやすくなります。
いかがでしたでしょうか。後編では、暑くてもぐっすり眠るための寝具などについてご紹介します。暑い夜はまだまだ続くようですので、みなさんも工夫して快適な睡眠をとってくださいね。
Information
ナイトケアアドバイザー・小林麻利子さん
生活習慣改善サロンFlura主催。ナイトケアアドバイザー。睡眠改善インストラクター。最新研究を元に睡眠や入浴等の生活習慣指導を行う。予約1年待ちの人気。
著書『あきらめていた「体質」が極上の体に変わる』(ダイヤモンド社)
2018年6月7日発売。こちらから!