観光地としても人気の鎌倉に、一風変わった日本茶専門店があるのをご存知ですか?その名は「CHABAKKA TEA PARKS(チャバッカティーパークス)」。ビールサーバーやドリッパーで注ぐ斬新なお茶のメニューや、定額制サービスなど、ほかにはない楽しみ方でお茶の魅力を感じさせてくれるお店です。
日本茶の魅力を今に伝える新しいカフェスタンド
鎌倉駅西口を出て、たくさんの人が行きかう御成通りを進み一つ目の角を曲がると、おしゃれなカフェスタンドが見えてきます。それが、今年の春にオープンした「CHABAKKA TEA PARKS(チャバッカティーパークス)」。
コンセプトは、「おしゃれに楽しむ日本茶エンターテインメント」。厳選した煎茶や烏龍茶、紅茶といった6種類のお茶をベースに、それぞれに適した独特の淹れ方をしていたり、ラテやソーダといった珍しいアレンジメニューを用意しています。
お店を開いたのは、アパレルの企業に勤めていた三浦健さん。当時大切にしていたのは、洋服というモノをただ売るのではなく、職人さんなどにスポットを当てながらその価値を伝え、普段の買い物を越えた感動をお客さんに味わってもらうこと。その経験をファッション以外でも活かしたいとずっと思っていたそう。そんな折、静岡の実家で偶然飲んだお茶のおいしさに感銘を受け、日本茶について0から学ぶように。その魅力や徐々に衰退する業界の現状を知り、自らが日本茶に新しい価値を見出した商品やサービスを提供し、業界の未来を変えることができたら、と考えるようになりました。
三浦さんはお店を開くにあたり、さまざまな産地に出向き、300種以上を飲み比べしたそう。お店で取り扱われているお茶は、その中から選ばれた高品質な茶葉ばかり。こだわったのは、春頃に摘み取られた一番茶で、ブレンドではない単一品種、さらにオーガニックであるという3点。同時に、あまり知られていない農家や若手の生産者の茶葉も積極的に採用しています。
まず押さえたい!ビールサーバーから淹れるお茶
茶葉の品質以外にCHABAKKA TEA PARKSで特徴的なのは、一風変わったお茶の提供方法。お店の看板メニューといえる「ドラフトティー」はその最たるものです。ドラフトの名前から連想するように、なんとお茶をビールサーバーで淹れるという斬新さ。ゆっくりレバーを倒しながらコップに注ぐと、まるでビールのような泡が乗ります。
このドラフトティーは三浦さんが考案したもの。急須のみにとらわれないお茶の淹れ方を考える中で、ビールのようなふわふわの泡が乗ったお茶ができないかと思いついたそう。100種類以上のお茶で試作し、甘みや香り、色などのバランスが整っていると感じた深蒸し煎茶「あさつゆ」を採用。1日かけて氷水で抽出し、窒素ガスを加えてさらに1日熟成させるという手間が掛けられています。
筆者もいただいたのですが、口に含むと、ふわっとした泡のまろやかさの後に、お茶のほどよい苦みや旨みが広がります。渋さはなく、さわやかで透き通った味わいに驚きました。ちなみに、サーバーから自分でカップに注ぎ淹れるので、うまく泡がたてられるかなど考えるその瞬間もワクワクしますよ。
秋冬にかけては温かいお茶も充実
これからの季節にぴったりの温かいお茶も、もちろんあります。CHABAKKA TEA PARKSのお茶は、目の前で一杯ずつコーヒーのようにハンドドリップで注いでもらえます。
人気なのは、シナモンやバニラのような甘い香りが漂う釜煎り茶「つゆひかり」。また、香ばしいほうじ茶もおすすめです。今後は煎茶を焙じたものだけではなく、お茶の茎の部分だけを使ったあっさりした味わいの茎茶(くきちゃ)や、抹茶の原料になる甘みの強い碾茶(てんちゃ)を焙じたメニューなどを充実させる予定だそう。さまざまな種類を飲み比べてみるのも楽しそうです。
定額・定期購入サービスもあります
CHABAKKA TEA PARKSには、メニュー以外にもおもしろいシステムが。
何度も通っていろいろな種類のお茶を飲みたい!という方におすすめなのが、定額飲み放題サービス。月5,000円の会費で、会員証としてオリジナルのキーホルダーを支給してもらえ、それを店頭で提示すれば、好きなお茶をどれでも無料で飲むことできます(1日1杯まで)。
また、通信販売にも対応していて、おすすめの茶葉3種類を毎月送ってもらえる定期購入サービスも用意。初回はスタイリッシュなオリジナル茶缶つきで30gずつ、2回目以降は30gの茶袋が届きます。気になるけれどお店が遠方で行けないという方や、毎月おいしいお茶を楽しみたいという方は、ぜひオーダーしてみてはいかがでしょうか?
新しいことに挑戦し続ける日本茶専門店
お店では、ほかにも独自の試みを行っています。例えば、伝統工芸の職人さんやファッションデザイナーの方とコラボレーションしてオリジナル商品を制作。また駅に近い立地を活かし、自転車やお店のスペースのシェアや、クロークとして荷物を預かるサービスも。三浦さんは、今後もお茶を切り口にしてさまざまなことに挑戦していきたいと語っています。進化し続ける日本茶専門店に、これからも目が離せません。
photo / CHABAKKA TEA PARKS
CHABAKKA TEA PARKS
神奈川県鎌倉市御成町11-10