織田隼人(心理コーディネーター)
人生の中には、さまざまなタイミングで決断しないといけない瞬間が訪れます。その決断によって自分の人生が大きく変わっていくともいえるでしょう。そこで重要になるのが「決断力」。決断を迫られることは数多くありますが、できることならより納得のいく決断をしたいですよね。そこで決断力とは何か、またどう身につけたらいいのかを心理コーディネーターの織田隼人さんに聞きました。
■決断力とは何か
どのような能力を決断力というのでしょうか。また、どうして決断力が必要なのでしょうか。具体的に考えることで、より決断力が身につけやすくなると思います。
◇決断力とは
決断力とは「変化に対して自分の意思で決定することができる能力」のことであると考えます。決断力について考えるには、まず決断力のない状態から考えるとわかりやすいでしょう。決断力のない状態のときは、現状をよしとして変化を嫌う傾向があります。また、決めることを先延ばしする傾向もあります。これが決断力のない状態といえます。逆に決断力がある状態とは、新しいことであっても知らないことであっても、「変化があってもよし!」としてチャレンジすることを自分の責任で判断できる状態です。よって、決断力とは「変化を受け止めてそれを実現することを決める能力」ともいえるでしょう。
◇決断力が人生に必要な理由
今の時代は常に世の中が変化しています。変化が多いがゆえに現状維持ではマイナスになってしまうことが多いのが現代のいう時代。そのため、決断力が自分の人生をよくするために必要です。決断をしないということは変化を受け入れないことになってしまいます。決断をして変化についていけるようにしましょう。そして自分から変化を起こすぐらいになれるといいですね。
■決断力がある人とない人の特徴
では、決断力がある人とない人の違いは、どのようなところにあるのでしょうか。決断力の有無を知るポイントは、「考えること」と「悩むこと」の違いを理解することにあります。
◇決断力がある人の特徴
決断力がある人は「考えること」と「悩むこと」を明確に分けている人が多いです。考えることとは、決断に必要な情報収集をしたり情報を整理したりすること。よい決断をするための下準備をすることが、考えることでもあります。そして悩むことというのは、不確定な未来に対してどうしようかと思いをはせること。しかし、悩むことはいくらやっても結論が出ません。確定した未来などないからです。この悩む時間が少ない人は決断力がある人といえるでしょう。悩むことをいくら続けても結論は出ませんし、結論を先延ばしすると「決断」に繋がりません。むしろ悩み始めたら「これ以上情報は増えないし情報も整理できない。あとは決めるだけだ」と考え、「この際、この選択肢で行く!」という強い気持ちで決断ができるのです。
◇決断力がない人の特徴
決断力がない人に共通する特徴は「悩む時間が多いこと」。考えたあとに延々と「悩む」と、どんどん決断が後回しになっていきます。決断を必要とされることには、その結果にメリット、デメリット両方があります。メリットしかない場合は、決断するまでもなく実行するべきことなので決断の必要がそもそもありません。しかしメリットとデメリットがあり、かつ考えた後(=結論を出すための情報収集、整理も終わった後)にもかかわらず、同じことを繰り返し考えている(=悩んでいる)状態の場合、結論が出ないまま時間だけが経過していく状態になるので、決断力がない状態といえます。「悩む」時間を減らせば、決断力のない状態から、決断力のある状態に切り替えることができるはずです。
■決断力は身につく! 鍛える方法
決断力は、意識すれば鍛えられる能力です。そこで、どのような点を意識すればよいかをご説明します。よりよい決断をするために、さらには人生を豊かにするために、決断力を高めていきましょう。
◇決断するための分類を持つ
決断を必要とするものの重要度を上手に分類すると決断しやすくなります。重要度を以下の3つくらいに分類をするとよいでしょう。
☆割とどうでもよいこと
明日の朝に何を食べるのか、というような、危機に迫られる要素ではないものは、「割とどうでもよいこと」に分類。「失敗してもいいや」という気持ちで気軽に決めていくことをオススメします。
☆比較して決めるべきこと
その決断において、過去の成功・失敗例があるもの、またメリット・デメリットが明確な場合は、いくつかの比較対象の情報を集める必要があります。これは考えることが必要な決断といえます。しっかりと比較要素の情報を集め、整理をするまで考えることが重要です。情報が増えなくなったとき、「決める」作業に移りましょう。
☆新しいチャレンジ
転職や結婚、事業を起こすなど、未来がよく見えないものに対する決断は、情報を集めてもたいてい比較すら上手くできないもの。この場合は「自分の未来のためになるか」どうかで直感を上手く使って決めましょう。一度決めたらあとは直感を信じるとよいのです。
◇悩み始めたら決めるようにする
決断をする上であまり意味のないことが「悩むこと」。情報が増えず、情報の整理も止まってしまった場合は、これ以上考えてもあまり意味がありません。どうすればよいのか悩んでいるだけの状態となっています。悩み始めたら、もうあとは決めるだけです。「悩んでいる」と思った場合は悩むのを切り上げて、さっさと決めてしまうとよいでしょう。早く決めてしまって行動した方がたいてい上手くいきますよ。
◇情報収集をしっかりやる
決断した結果上手くいくかどうかは、情報収集と情報整理が上手く出来ているかで変わってきます。つまり、しっかりと「考える」ことが必要です。特に自分の未来に大きく関係することについては情報収集と、情報の整理をしっかりとするようにしましょう。自分の未来に大きく関わらないことについては情報収集や情報の整理は手を抜いてもかまいません。