軸のズレを元にもどすためにポイントとなるのは、胸郭と股関節の柔軟性と連動性。ピラティスの動きを取り入れたプログラムは、1日5分。これなら続けられるハズ!
3つのプログラムで歪んだ軸を整える。
ピラティストレーナーの渡部龍哉さんが提案する軸トレのステップは3つ。
「まず、固まってしまった股関節まわりや胸郭をほぐしてリセットすることからスタートします。次に上半身と下半身を連動させて、ズレてしまったままの軸を正します。最後に仕上げの動きで軸を整えて、その後の維持につなげます」
プログラムAは“ほぐす”、プログラムBは“正す”、プログラムCは“整える”。2~3つのプログラムを組み合わせ、段階を踏んで正しい軸をとりもどしていくという流れ。トレーニングを行う時間は、1日たったの5分でOK。
「軸がズレたままの年数が短いほど、早くリセットすることが可能です。anan世代なら1か月もあれば効果が期待できるはず」
毎日行えばそれだけ早く軸が整う。それでは今日からトライ!
ここでは、プログラムA“ほぐす”ストレッチを紹介します。
上半身と下半身の要、股関節と胸郭をほぐす。
軸がズレて姿勢が乱れるのは、胸郭がうまく動かせず、横に広がり潰れてしまう→くびれ作りに必要な腹斜筋が使えずに骨盤が前に出る→上半身がガチガチだから下半身が頑張るという図式。しかも長時間のデスクワークで、股関節まわりは固まる一方。よって、まずは股関節まわりと胸郭をほぐし、本来の動きをとりもどすストレッチからスタート。
【左右各1 セット】股関節まわり
太ももの前、太ももの裏、お尻などをいっぺんにほぐすストレッチ。急がずにじっくりと筋肉の伸びを感じて。左右の脚で行う。
1.右脚を大きく後ろに引いて伸ばし、左の膝はやや外側に開いて立て、両手のひらを床につく。そのまま20回上下にカラダをバウンド。
2.両手を床につけたまま、左脚の膝を伸ばしてお尻を後ろに引き、左足のつま先を浮かせる。左太もも裏の伸びを感じながら20秒キープ。
3.左の膝を深く曲げ、上体と骨盤を前に傾けて左手で右足のつま先を掴む。右脚の太もも前が十分に伸びるのを感じながら20秒キープ。
4.最後に両手を左膝に置き、背すじをまっすぐ伸ばして20秒キープ。左足の位置は最初から最後まで変えないこと。逆脚でも同様に。
【1セット】胸郭
ハイハイのポーズで背骨を前後左右に動かし、最後は動きを連動させて回転。ガチガチに硬くなった背骨と胸郭をほぐしていく。
1.両膝の間をこぶし1個分空けてハイハイの姿勢をとる。肩の真下から少し前で両手を床につけ、手の指は軽く開く。視線は斜め前方に。
2.背骨をゆっくり反らして2秒キープ。頭を反らすのではなくみぞおちから上体を反らすように。肘は突っ張らずにややゆるめる。
3.今度は背骨を丸めてみぞおちを内側に引き込み2秒キープ。胸郭を前後に動かす2・3の動作を10回繰り返す。
4.次はハイハイ姿勢から背骨で“逆Cの字”を描くつもりで、みぞおちを右に動かし2秒キープ。腰の位置は固定。動かすのは背骨だけ。