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え、まさか!?超ビビりな猫ちゃんのびっくり失敗エピソード

猫の猫らしい行動に、自分の生き方を重ねてハッとする瞬間があります。本のデザイン&編集の仕事をされている籾山(もみやま)ご夫妻にも、そんな心当たりがあるようです。あまり人に懐かない「トラ」が、籾山家を選んでやってきた意外すぎる理由から「偶然と必然」について教わります。

「猫を飼っている」と言っても信じてもらえない

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ずんぐりボディに、シナモンロールのような短い尻尾が愛らしいトラ(オス・13歳)。野良猫として生まれ、絵本の装丁や子供向けの図鑑などをデザイン&編集する籾山真之(もみやま まさゆき)さんと伸子さんご夫妻に拾われました。

元野良だけあって普段は家のインターフォンが鳴るだけで、ケージの中の、さらにトイレの中へと身を隠すほど警戒心の強いトラ。

「警戒心が強いというか、ビビりというか…(笑)。家に遊びに来た人に、『猫を飼ってるんだよ』と言っても信じてもらえないほど、来客中は姿を現しません。

ある日、友だちが小さな子どもを連れて遊びに来たんです。『猫を見たい』と言うので、身を潜めていたトラを連れてきたら、猫を目の前にした子どもが喜んで、その手に持っていたペットボトルを床に落としちゃって。ただでさえビビっていたトラは、その衝撃に固まったまま失禁(笑)。

病院に連れて行っても、診察台に乗せた瞬間にじゅわ~っ。検査のために尿を取りたかったのに、全部出しちゃって、出直してくることになったり。今日の撮影も大丈夫かなって心配してるんです」(伸子さん)

猫は「猫に興味がない人」が好き!?

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家族以外の人が基本ダメなトラが、唯一の例外として、自ら積極的に姿を見せ、近くに居ようとするのが「猫に興味がない人」だと言います。

「不思議なんですけど、猫というか動物全般に興味がない人が来ると、どうしてわかるのか、隠れていたトイレから出てきて、その人が帰るまで、近くにいたりするんです」(真之さん)

そう言う籾山さんご夫婦がまさに「猫に興味がない人たち」だそう。

「住んでいた家の下に、たまたま野良猫が5匹の赤ちゃんを産んで、興味はないけど見過ごすこともできずに病院やエサの世話をしているうちに、たまたま居ついてしまったのがトラでした。
もっと人間が好きで、愛情表現が豊かな人懐こい子もいたけど、家には居つかなくて、本当にたまたまトラだった」(伸子さん)

「もしトラが亡くなってしまったら、もう猫は一生、飼わないと思います。たまたまトラだったけど、私たち家族にとって、トラの代わりはいないので」(真之さん)

猫に興味がないと言いつつ、トラ以外の猫は一生飼わないと籾山さんご夫婦。トラは猫であって猫でなし。家族なんですね。そんなおふたりの「ちょうどよさ」を敏感に嗅ぎつけて、トラは籾山家を棲み処にしようと決めたのかもしれません。

トラが教えてくれた「偶然と必然」

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朝、トラにひと声掛けてから、一日をスタートすると言う伸子さん。

「朝のトラはご機嫌で、『おはよう』と声を掛けると『ニャー』と返事をしてくれます。私はその声を聞きながらカーテンを開け、ベランダの窓を開けて空気を入れ替える。すると、トラがベランダへ出て、登校する子どもの声やゴミ収集車が行き交う、朝のにぎやかな街を見下ろすんです。

そのトラの背中が、なんというか、哀愁が漂っているような気がして。トラもうちに居つかなければ、今とは違う別の人生があったんだなって。私たちもたまたま猫を飼う人生になったけど、トラもたまたま飼われる人生になったんだなって。偶然だったけど必然のように感じられることがしあわせです」(伸子さん)

トラが教えてくれた「偶然と必然」。私たちには、偶然を必然のように感じるられる自由があり、そう思えるしあわせがあるんですね。また、どんな偶然も必然に変えていける力があることを信じてみたくなりました。さて、次回は、トラが教えてくれた「家族の距離感」についてのお話です。お楽しみに!

筒井聖子

snug.

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