今回、ご紹介するのは、金曜ドラマ『インビジブル』。事件解決のためにはどんなグレーな手でも使う刑事と犯罪コーディネーターがバディを組み、闇に隠れた凶悪犯をあぶりだす犯罪エンターテインメントです。本作でTBSの連続ドラマに初主演した、高橋一生さんにお話をうかがいました。
「理性的に見えて、実は本能で動くタイプです」
©フジイセイヤ(W)
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普段、目にする事故や事件、そして、ときに起こる未解決事件の数々。実はその中には警察すら存在を知らない凶悪犯、通称“クリミナルズ”によって行われている犯罪があった……! 金曜ドラマ『インビジブル』は、そんなクリミナルズを捕らえるため、刑事と犯罪コーディネーターという絶対に相容れないはずの2人が異色のバディを組む、前代未聞の犯罪エンターテインメントです。
裏社会を牛耳り、あらゆる凶悪犯罪者たちの取引を仲介する犯罪コーディネーター“インビジブル”。その存在は警察内部でも一部の人間しか知らず、その実像は“誰も見たことがない”ことから、“インビジブル”と呼ばれていました。そんな“インビジブル”が突如、キリコと名乗り、自身が関わってきた未解決事件や凶悪犯罪者の情報を提供し、犯人逮捕に協力すると警察に申し出ます。条件はたったひとつだけ。捜査一課から左遷された刑事・志村貴文(しむら・たかふみ)を担当にすることでした。
本作の主人公・志村貴文を演じるのは、高橋一生さん。警視庁管内で起きた未解決事件の継続捜査を行う、警視庁刑事部・特命捜査対策班所属の刑事です。犯人逮捕への熱意ゆえにグレーな手段を使う、行き過ぎた捜査がきっかけで捜査一課から特命捜査対策班へ左遷された経歴を持ち、執念にも近い正義感を持つ志村を、高橋一生さんはハードなアクションシーンとともに熱演しています。
そして、志村とタッグを組む犯罪コーディネーター“インビジブル”を演じるのは、柴咲コウさん。決して表に出てくることはなく、この世のあらゆる凶悪犯罪の裏で必要な凶悪犯たちを紹介・斡旋する、不敵な女犯罪者です。クリミナルズの情報に精通する彼女が志村に近づいた目的とは一体何なのか。刑事と犯罪コーディネーターがバディを組む前代未聞の犯罪エンターテインメントに注目です。
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ーー本作の企画をいただいたとき、最初にどう思いましたか?
高橋さん これまで演じたことのない内容の作品で、楽しめそうだと思いました。犯罪コーディネーターという不可思議な職業が実際にあるかどうかはわかりませんが、いないとは言い切れないなと。志村は本当に正義なのか、インビジブルであるキリコのほうがまっとうなことを言っているのではないかなど、善悪が二極化している世の中だからこそ、ぶつかり合う対話や心理戦が面白いと思いました。
ーー志村について、どう思いましたか?
高橋さん 彼は周りから危険な存在だとか、暴走しているなどと思われていますが、自分が心に引っかかっている事件に執心している刑事だと思いました。
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ーー本作の佐藤敦司プロデューサーが公式コメントで志村を、「動物的な本能で動く型破りな刑事」と評していました。高橋さんは、理性と本能、どちらで動くタイプですか?
高橋さん 理性的に見えて、実は本能で動くタイプです。お芝居においても同じで、事前にある程度理性で組み立てていても、現場に入ると相手の芝居に反応して、本能で動いてしまいます。
ーー過去に共演歴がある柴咲コウさんとバディを組んで、いかがでしたか?
高橋さん 大河ドラマなどで長くお芝居をさせていただき、意見を交わすときにお互いの言語体系が一緒なので、そのすり合わせがしやすいんです。コウさんとだからこそ、この会話のやり取りができていると思います。
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ーーハードなアクションシーンに備えて、どのようなトレーニングをされましたか?
高橋さん 衣装合わせをした後、約1か月間、体を鍛え直したんです。トレーニングに集中しすぎて、体が2~3㎝大きくなってしまい、大きくなり過ぎたので、少し減らしたいと思っています。
ーー具体的に、どのようなトレーニングをされたのでしょう。
高橋さん 原点に戻って、きちんとしたフォームで腕立てやスクワットをするというスタンダードなことを行っています。回数をこなすことではなく、きれいなフォームを心がけています。
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ーー衣装がほぼスーツ1着だったそうですね。
高橋さん 志村は同じスーツを何着も持っているという設定なんです。撮影中、衣装替えがなくて楽だと思っていましたが、アクションシーンがあるのでかなり汚れました。
ーー撮影現場に欠かせない相棒は?
高橋さん マグライトです。志村はかなり大きめのものを持っているのですが、すぐ取り出しやすいように腰のベルトの部分につけています。
ーー劇中、志村は正義という信念を持って、事件に向き合っています。高橋さんが役者として抱き続けている信念を教えてください。
高橋さん 作品を観てくださる方は、画面の向こう側にいるので、僕らからは見えない存在です。しかし、こちら側が迷わずエネルギーを打ち出す説得力があれば、見てくださる方も納得していただける。作品は観てくださる方と一緒に構築していくものだと思っています。