今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
たましいの古層
今週のさそり座は、隠蔽された怖れと改めて覗き込んでいこうとするような星回り。
どこか“のっぺらぼう”な世界を生きている私たちですが、近代化以前の中世社会というのはその真逆で、夜が明けてから日が沈んで、夜に見る夢の中まで、近代人がなかなか共感できないような怖れに取り囲まれて暮らしていました。
日本人の場合、床の間にあがってはいけないとか、敷居を踏んではいけないとか、中世的・古代的な空間についての意識が古層のところでかろうじて残っていますから、そういう意識とつながることで、世界のいきいきとした輪郭を取り戻していくことができるはず。
あなたもまた、そうした中世的・古代的な意識の古層とおのずから繋がっていくようなところがありそうです。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
道ばたで見た花を
今週のいて座は、「華やか」であるよりも「あはれ」であろうとしていくような星回り。
『向日葵にとりどりの花のあはれかな』(杉本禾人)という句のごとし。
掲句のおもしろさは、王者のごとき向日葵には興味を持たず、その下で「その他」の存在として在らざるを得ない花々が、それでも腐らず健気に、自身の一生をまっとうしようとしているところに目を向けているところでしょう。
あなたもまた、世間的な基準や周囲の評価から絶妙に外れたところに、自身の居場所を見出していくことができるはず。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
地層の形成
今週のやぎ座は、カオスな世の中を生き延びていくための、野性味を取り戻していこうとするような星回り。
香港には正式な許可なく黙認されている屋上建築物が半世紀以上も存在しており、そこに住んでいる低所得層や移民らにとって、屋根の上にさらに屋根を架けることは、生き延びるための手段に他ならないのだと言えます。
『香港ルーフトップ』で日本語版解説を寄せている大山顕は、そうして近代建築の上に原始的な建築が乗っている様子について、「まるで建築史の地層が逆転したような光景」「近代以前の香港の街並みが、下から生えてきた近代のビルによって空中に持ち上げられ保存されているように見えないだろうか」と述べています。
あなたもまた、自身のキャリアやコミュニティの設計にこれくらいの「野性味」を盛り込んでいきたいところです。