子どもが成長するに従って、さまざまな面でお金の悩みも発生しやすくなります。これまでお金について数多くの悩みを持つ方からのご相談を引き受けた筆者が、40代以降にありがちなお金の悩みとその対策についてご紹介します。
40代のリアルなお金事情
お金についての悩みを抱えやすい40代。よくあるお金の悩みについてご紹介していきます。早めに知っておくことで対処法も考えられますよ。
40代のお金の悩み1「学費が高すぎる」
特にお子さんがいらっしゃるご家庭でまず第一に大きな悩みになりやすいのが「学費」です。
お子さんが小さいうちはそれほどでもなかった学費が、お子さんの成長とともに、気づいたらとんでもない金額になってしまったという悩みは非常に多く聞かれます。
お子さんがひとりならまだなんとかなったものが、2人目、3人目の学費の支払いと、上のお子さんの学費の支払いが重なってしまうと、なかには学費だけで収入を超えてしまう方もいます。
給料から全額を賄うことが難しいため、教育ローンや奨学金などを利用するなど、長期間支払いが残ってしまう方も多く見られます。
このような悩みは40代前半から50代にかけて非常に増えてくるのですが、いかに早く問題に気づき対処するかが重要になってきます。
例えば、子どもが産まれてすぐから学費のための貯蓄を始める、学費の支払いが多くなる時期に合わせて働き方の選択を変えるなど、1人1人に合わせた方法が考えられます。
「教育ローンなどを利用して、数年に分けて分割で支払えば大丈夫」と安易に考えてしまう人が多いのですが、その数年後にも大きな支払いがあるかもしれない可能性を忘れないでください。
40代のお金の悩み2「習い事や塾の費用がかかりすぎる」
お子さんをお持ちの方の悩みとして、「習い事や塾の費用がかかりすぎる」といった悩みも多く聞かれます。
学費と違い、習い事や塾の費用は「必ず支払わなければいけない費用」ではなく、個人の選択によって自由にコントロールすることが可能な支出のはずです。
しかし、「お友達も行っているのだから、わが子も行かせなければお友達に後れを取ってしまう」「塾に行かなければいい学校に入ることができない」など親の焦りや不安から、収入とのバランスを見誤って最終的には破産まで追い込まれてしまう人がいます。
わが子に少しでも充実した教育の機会を与えたいという親心はよく理解できますが、そのために親が破産してしまったり、将来子どもの学費が支払えなくなり子どもが進学をあきらめるような事態になっては本末転倒です。
塾に通わせるとしても塾の種類はたくさんありますし、何を選択するかで費用も大きく変わります。
ぜひ、習い事や塾の費用を含めても、少なくとも月収を超えた支出にならないように考えながら、取捨選択をするように考えてみてください。
夏期講習などにまとまったお金がかかる場合など、やむを得ない場合を除き、少なくとも毎月の支払いを赤字にしない工夫をすることで、費用が度を越えることはなくなります。
すでに月収を超えた支払いがある人は、その他の支払いを見直して月収の範囲内に収めるか、働き方を工夫して月収の範囲内になるように調整するようにしましょう。
できるだけ月収の範囲内に収めるようにするだけで、ボーナスや手当の使い込みをする可能性が低くなり、貯蓄とのバランスも保ちやすくなります。ボーナスがない人は月収の2割ほどを貯蓄に回し、残った額でやりくりするといった方法でもいいでしょう。
月収を超えた支払いが始まった頃から慢性的な赤字に悩まされる方が多いので、月収とのバランスを保つことを心がけましょう。
40代のお金の悩み3「子どもの食費が大人以上」
子どもの食費も子どもの成長に伴い増加します。親子でシェアをして食事をしていた頃とは比較できないほど食事量が増え、なかには親よりも食べるようになる子もいます。
これは、やりくりが下手だから支出が増えるのではなく、ある程度の増加はやりくりの上手下手に関わらずやむを得ないものです。
ただ、それを必要以上にしないことの工夫は大切です。フードロスを防いだり、食べ過ぎによる体重の増加を引き起こさない程度にとどめたり、無駄な食材や必要以上の過食には注意した方がよいでしょう。また、贅沢品に偏りすぎないような工夫をするのも、食費の上昇を抑える効果が見込めますよ。
40代のお金の悩み4「子どもの小遣いが大人以上」
子どもが大きくなると、活動範囲も広がります。
大人は月2万円、3万円の小遣いでやりくりしているのに対し、子どもはお友達と遊びに行くための小遣いが毎週末かかる上に、洋服代や美容代も大人と同じようにかかるようでは、子どもの小遣いが大人以上になってしまいます。
子どもの学校でアルバイトが原則禁止されていることもありますので、子どもが自分の小遣いを稼げるようになるのは大学生頃まで難しいというご家庭も多く見られます。
子どもの小遣いについては各家庭の考えの差が大きく、生活水準が高い家庭ほど子どもの小遣いも高くなりやすい傾向があります。
子どもの小遣いの渡し方については、各家庭でルールを決め、与えすぎにならないような工夫をしましょう。