今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
姿勢をただす
今週のさそり座は、背中を裏ではなく表と見立てていくような星回り。
東洋医学の経絡の考え方では背中が「陽」で腹側が「陰」とされ、つまり背中の方こそが「オモテ」だと考えられていた。服装においても、侍にしても街火消しにしても重要な装飾が施されているのはきまって背中側で、これも「背中は隠すものではなく、見せるもの」と考えられていた証しと言えるはず。
だからこそ、背中を明るくすることを日ごろから心がけていたし、大事なことであるほど背中で伝え、あるいは、親の背中を見ることで大事なことを受けとってきたのでしょう。
あなたもまた、胸を張って過度に力みを生み出す代わりに、背を高くすることで自然体を心がけていきたいところです。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
もののはずみに身を任せる
今週のいて座は、あっさりと割り切れないものにこそ心惹かれていくような星回り。
『手花火の柳が好きでそれつきり』(恩田侑布子)という句のごとし。関係が決定的に中に進むかどうかがもののはずみなら、歌になるかならぬかももののはずみであり、確かだと思っていた関係に別離が訪れるのももののはずみ次第なり。
そうであればこそ、人は一時の恋に命懸けになるのであり、一方でそれをあっさりと忘れることができたりもする。ただ、時どきその両端まで行き着かずに何かが引っかかってしまうことがあり、そんな時にこうした歌が生まれるのでしょう。
あなたもまた、勢いだけで突き進むのではなく、今はむしろ心の引っかかりをこそ大切にしていくべし。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
閉ざされていた光を開く
今週のやぎ座は、労働でも怠惰でもなく、余暇をこそみずからにもたらしていこうとするような星回り。
キリスト教の精神生活の理想として挙げられる、「コンテンプラチオ」という言葉。カトリックの哲学者ピーパーは簡潔に、「現実のなかで目を開くこと」として、より平易に定義し直しています(『余暇と祝祭』)。
ピーパーによれば、そうした意味での余暇の最中にある人間は、眠っている人と似ており、余暇の喪失は「不眠」と特別な結びつきがあるのだそう。沈黙とは単に声を出さないこと、口をつぐんでいることではなく、口を開けばとぎれてしまうような深い心の通いあいのことであり、私たちは十分な睡眠が英気を養ってくれるのと同じように、不思議と元気づけられるのです。
あなたもまた、できるだけそうした余暇的な精神状態へと意識をチューニングしていくべし。