最近よく耳にする「腸活」という言葉。気になってはいるものの、腸のために具体的に何をすればいいのか、どんな食べ物が腸にいいのか、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。そこで、今回は腸活におすすめの食材について、あんしん漢方の薬剤師、有島ゆいさんに伺いました。
腸活にいい食材10種類
腸活のポイントは、腸内に善玉菌を増やすことです。腸内細菌のバランスを整える働きがあるとされている善玉菌は、腸内環境を良好に保つために欠かせません。
食事で善玉菌を増やすためには、善玉菌を含む食材を直接摂取したり、善玉菌を増やすといわれている食物繊維やオリゴ糖を含む食材を摂取したりするといいでしょう。
また、栄養が偏らないよう、これらの食材をバランスよく摂取することも大切です。それでは、腸活におすすめの食材をご紹介します。
1.腸活といえば「ヨーグルト」
腸にいい食材として、まず思いつくのがヨーグルトではないでしょうか。ヨーグルトは乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を多く含むので、腸活に効果的であると考えられています。
腸活の観点でいえば、バナナをトッピングして食べるのがおすすめ。バナナには、善玉菌のエサとなるオリゴ糖が含まれています。
2.手軽に取り入れやすい「チーズ」
ヨーグルト同様、チーズにも乳酸菌が豊富に含まれています。料理のトッピングとして手軽に取り入れやすいチーズですが、脂質も多いので食べ過ぎには注意しましょう。
3.毎日でも食べたい「納豆」
善玉菌のほか、タンパク質や食物繊維を含む納豆は、腸活におすすめの食材です。大根おろしやオクラなど、食物繊維を含む食材と一緒に食べるとよりいいでしょう。
4.単品で栄養が摂れる「漬物」
乳酸菌と食物繊維を同時に摂れるのが、漬物です。ただし、漬物は塩分を豊富に含むものも多いので、塩分の摂り過ぎには注意しましょう。
5.栄養豊富な「キムチ」
キムチも漬物の一種であり、乳酸菌や食物繊維を含む食材です。そのほか、キムチに含まれるカプサイシンは腸のぜん動運動を促し、腸内環境を整えると考えられています。
乳酸菌は熱に弱いので、できるだけ加熱せずに食べるのがおすすめです。
6.野菜と一緒に食べやすい「味噌」
味噌には、乳酸菌が豊富に含まれています。味噌汁を作るなら、善玉菌のエサとなる食物繊維を豊富に含んだ海藻類や野菜類を具材にするといいでしょう。
7.便秘対策には「キノコ類」
キノコ類には、善玉菌のエサとなる食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維はお通じの改善に役立ち、腸内環境を整えると考えられています。
また、水溶性のビタミンやミネラルも多く含むので、味噌汁やスープなどにして茹で汁ごと食べるのがおすすめです。
8.食物繊維の宝庫である「海藻類」
便秘対策として有名な海藻類は、食物繊維を多く含んでいます。ヒジキやワカメなどを毎日の食卓にプラスしてみましょう。
9.安価で続けやすい「バナナ」
バナナには不溶性食物繊維が多く含まれており、便のかさを増やす効果が期待できます。
また、オリゴ糖も含まれているので、ヨーグルトのように善玉菌を含む食材と一緒に食べるのがおすすめです。バナナは比較的、安価で手に入る果物なので続けやすいでしょう。
10.胃腸薬でも注目の「キャベツ」
キャベツには、胃腸薬の成分にも使われているビタミンUが含まれています。ビタミンUは別名キャベジンとも呼ばれ、胃腸の粘膜を健やかに保つ働きがあると考えられています。
ビタミンUは熱に弱いので、できれば生のままか、軽く湯通しする程度で食べるのがおすすめです。そのほか、キャベツには食物繊維も豊富に含まれています。
漢方薬で腸を内側から元気に
腸内環境を内側から整えるためには、食事だけでなく漢方薬もおすすめです。
漢方医学では、腸の不調は水分の循環が悪いことや、血液が不足していたり流れが悪いことなどが原因であると考えられています。
漢方では、便を柔らかくしたり、腸の動きをよくすることで、老廃物や毒素を排出します。加えて、血液を補ったり、流れをよくしたりすることで、腸に栄養が届き、腸の痙攣を緩和することで腸の働きが整えられるのです。
漢方薬は自然の生薬からできているのでからだにやさしく、西洋薬には抵抗があるという方でも取り入れやすいでしょう。