生理が近づいてくると心もからだも不安定になり、ちょっとしたことでイライラしてしまう……なんていうことはよくあります。これは【PMS(月経前症候群)】の症状の1つ。そこで今回は、つらい時期であるPMSを乗り切る方法について詳しく紹介します。
|そもそもPMS(月経前症候群)って?
そもそもPMSとは、月経が始まる3〜10日前ごろからからだや心に起こる不調のこと。こちらは「月経前症候群」という名前の通り、月経が終われば症状が回復もしくは軽減されます。その主な症状は下記のようなものです。
精神面…イライラや不安、抑うつ、集中力の低下など
身体面…倦怠感やひどい眠気、食欲不振や過食など。その他、腹痛や頭痛、腰痛、むくみなどの諸症状
|イライラ撃退! PMSを乗り切る3つの方法
ここからは、つらいPMSを乗り切る対処法について詳しく解説していきます。
(1)ストレスをため込まない
ストレスがたまっているとPMSの症状は悪化します。ただでさえデリケートな時期なので、ストレスをため込まないように常にリラックスを心がけましょう。ゆっくりお風呂に浸かる、夜は早めに寝るなどを心がけることにより、ストレスは軽減されます。また、この時期は家でゆっくり過ごし、無理な仕事や予定を入れないようにすることも重要です。
(2)栄養バランスのとれた食事を意識する
PMSになるとホルモンバランスが乱れ、むくみやだるさなどからだの不調も目に見えて多くなります。ホルモンのバランスを整えるためには毎日バランスの良い食事をとることが重要です。
特におすすめなのは、「まごわやさしい」と呼ばれる食事。「まごわやさしい」とは豆、ゴマ、わかめ、野菜、魚、椎茸、芋の頭文字であり、これらを意識して取り入れることにより、バランスの良い食生活を送ることができます。また、塩分が極端に多い食事や揚げ物はホルモンバランスが乱れる原因となるため、この期間には控えめにしておくと良いですね。
(3)漢方薬を飲んでみる
PMSのイライラをおさえたい方は、婦人科でも自然由来の治療薬として使われている漢方薬の力を借りるのもおすすめです。PMSに対しては、血液を増やしたり流れを良くする作用や、自律神経を整える鎮静作用を有する生薬を含む漢方薬が選ばれます。血流や自律神経が整うことで、イライラだけでなく、頭痛や肩こり、お腹の張り、便秘、腹痛などの症状も一緒に改善できます。
また、漢方は自然由来の成分で作られているため、西洋薬に比べると副作用が少ないとされているので、気になる方はぜひ漢方を採り入れてみましょう。
|PMSにおすすめの漢方薬3つ
・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)…血(けつ)の巡りを良くすることにより、便秘、のぼせ、肩こりなどのほか、月経前のイライラや精神不安にも用いられます。
・加味逍遙散(かみしょうようさん)…PMSによって起こる気分の落ち込み、イライラなどにアプローチすることができる漢方薬です。心とからだのバランスを整えてくれるので、気分の浮き沈みやストレスの解消につながります。
・抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)…生理前、とくに怒りっぽくなりがちなタイプの人のPMS症状にアプローチできる漢方薬です。
漢方にはさまざまな種類があるため、どれを選んだらいいのかわからないと悩む方もいるのではないでしょうか。自分の状態や体質に合ったものを選ばなければ、症状の改善どころか副作用が生じてしまうこともあり得ます。そこで自分に合った漢方を選びたいと思っているなら、オンライン上でプロの薬剤師に漢方について相談できたり、AIを活用して自分に合った漢方を選べたりできる「あんしん漢方」のようなオンラインサービスがおすすめです。
つらいPMSですが、しっかり対策をしホルモンバランスを整えれば、症状を軽減させることができます。ストレスをため込まない、バランスの良い食事を心がける、漢方の力を借りるなど、ひとつずつ対策を行ってみてくださいね。<text:あんしん漢方薬剤師 竹田由子(元漢方・生薬認定薬剤師)>