貯金はたくさんあれば安心ですが、これから貯金を始めたいという人もいることでしょう。最低限どれくらいの貯金が必要かは気になるところではないでしょうか。貯金を始めるならどれくらい貯めたらよいのか、家計管理アドバイザーのあきさんに教えていただきました。
40代がいざという時に貯めておきたいお金とは
40代で貯蓄ゼロから始めるなら、まず当面は「いざという時に必要なお金」から貯めておくとよいでしょう。
「いざという時に必要なお金」とは、失業、病気やケガなどで働けなくなった時など、予期せぬことが起きた時、「当面の生活を守るためのお金」のことです。
「いざという時に必要なお金」を「いくら貯めればいいの?」と思う人もいるでしょうが「いくら必要か」というのは人によって違います。
おおよそ必要な生活費の最低でも3ヵ月、できれば6ヵ月分程度を目安に貯めると良いでしょう。
保険などの保障では足りない分をカバーするつもりで貯めるだけでも安心です。
このお金があれば、いざという時に借金などを検討する可能性が低くなりますから、その後の生活を楽にするためにもまず確保しておきたいお金です。
とはいえ、「どうやって貯めればいいの?」と思う人のために、ここでは、「いざという時に必要なお金」を貯めるためのヒントをいくつか紹介します。
貯め方1 貯める金額の目安を決める
上記の通り、「いざという時に必要なお金」は人によって違います。
だからこそ、「いくら必要なのか」をそれぞれのご家庭で一度計算しておくことをおすすめします。
月30万円の生活費が必要なご家庭なら、最低でも90万円、できれば180万円は「いざという時に必要なお金」として見ておきたいところです。
必要なお金が分からなければいくら貯めていいかもわかりませんし、それ以上の貯蓄ができても、いくらまでは残すべきかなどを把握することができません。
そのためには、「月にいくら使っているかも分からない」といったずさんな管理を改め、少なくとも「月にいくら程度の生活費が必要か」を把握することが大切です。
貯め方2 保険などの保障を確認する
いくらを目安に貯蓄すればよいかが分かったら、保険なども確認しておきましょう。加入している生命保険だけでなく、失業保険などの状況も確認しましょう。
必要な貯蓄額から保険などで保障される額を差し引くと、本当に貯めなければならないお金がわかります。
もちろん、「保険があるから大丈夫!」とたかをくくりすぎてしまうのもよくありません。少しゆとりを持って計画することが大切です。
また、「いざという時が心配だから」と収入を無視して保険に加入しすぎてしまうと日々の生活がままならなくなってしまいますので、加入する保険とのバランスも大切です。
貯め方3 月々少しずつ貯める
貯める金額の目安が決まったら、月々少しずつでもかまいませんから貯蓄を始めましょう。
会社の業績が著しく悪い、近いうちに転職する予定がある、健康上の不安があるなどの場合は、できるだけ集中して早めに貯蓄をし終えなければなりませんが、会社の業績面や健康面に問題がなく、失業や転職の予定が当面ない場合は、あわてすぎる必要はありません。
できる範囲で「まずはこれぐらいから」という具体的な金額を決めて、貯蓄を実行に移しましょう。すぐに貯蓄を始めることが難しいと感じる場合は、なぜ難しいと感じているのか原因を分析することも大切です。
支出が多すぎる場合には、支出の整理から始める必要があります。40代以降はお金のかかるイベントが目白押しと言うご家庭も多いので、40代で貯蓄が始められない状況にある人は、50代、60代でも貯蓄ができない可能性があります。日頃から収入以上の支出にならないような工夫が大切です。
貯め方4 手を付けないお金を作る
貯蓄をひとまとめに考えてしまい、大きな出費のたびに貯蓄をゼロにしてしまう人がいますが、これではいつまでたっても「いざという時に必要なお金」を残すことができません。
例えば貯蓄が300万円、「いざという時に必要なお金」が180万円というご家庭なら、どうしても必要な大きな出費があったとしても、崩してもいいのは120万円までといった算段を日頃からつけられるようにしておきましょう。
「貯蓄をこれ以下に減らしてはいけない」という目安を作っておくだけでも安心できるはずですよ。